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<スズケンDIアワー> 平成20年8月21日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(23)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ネクサバール錠とシングレア錠・キプレス錠の薬価算定根拠

ネクサバールの薬価算定根拠

キプレスの薬価算定根拠

 次は、ネクサバール錠です。有効成分は、ソラフェニブ トシル酸塩で、バイエル薬品の開発です。ソラフェニブ トシル酸塩はRafキナーゼ阻害による腫瘍細胞増殖抑制作用及びVEGFR阻害による血管新生抑制作用を有し、「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。本剤の営業利益率については、本剤が、インターフェロンなど既存治療薬と異なる新規作用機序を有する点で革新性があり、また、有効性については、インターフェロンなど既存薬の治療歴を有する患者を対象とした臨床試験において無増悪生存期間の延長が認められていることなどが評価され、平均的な営業利益率プラス20%の営業利益率、すなわち23.0%を用いることとされました。
 次は、シングレア錠及びキプレス錠です。有効成分は、モンテルカストナトリウムで、シングレア錠は萬有製薬、キプレス錠は杏林製薬の開発です。モンテルカストナトリウムは、ロイコトリエン受容体拮抗作用を有し、「気管支喘息、アレルギー性鼻炎」を効能・効果とします。すでに発売されている同一成分の製品にアレルギー性鼻炎の効能が追加され、それに伴い新たに5mg錠が追加されたものです。したがって薬価は既存の10mg製剤を比較対照薬に規格間調整による算定が行われました。

icon グレースビット錠・グレースビット細粒とチャンピックス錠の薬価算定根拠

グレースビット錠

チャンピックス

 次は、グレースビット錠及びグレースビット細粒です。有効成分は、シタフロキサシン水和物で、第一三共の開発です。シタフロキサシン水和物は、DNA合成阻害作用を有し、「本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属等を適応菌種に咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎等」を効能・効果とします。補正加算のいずれの要件にも該当せず、効能・効果、薬理作用等が類似する内用薬が既に3つ以上あることから、類似薬効比較方式(II)で算定が行われました。薬価の算定に当たっては、最も類似していると考えられるレボフロキサシン製剤の薬価、過去10年間に薬価収載された類似薬の平均1日薬価、過去6年間に収載された類似薬の最低薬価を比較したところ、最も薬価の低かったのが過去6年間に収載された類似薬の最低薬価であったので、その製品すなわちプルリフロキサシンの製剤である明治製菓のスオード錠が比較対照薬とされました。
 次は、チャンピックス錠です。有効成分は、バレニクリン酒石酸塩で、ファイザーの開発です。バレニクリン酒石酸塩はα4β2ニコチン受容体部分作動作用を有し、「ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率19.2%とされました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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