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<スズケンDIアワー> 平成20年8月28日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(16) 間質性腎炎


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon 間質性腎炎の診断

 この診断についてどのような検査があるかですが、尿を集め遠心分離して、顕微鏡で見ると、アレルギーが原因では好酸球が増加し、白血球円柱が見られます。尿のタンパクは、非常に多量に出るネフローゼのようになることはありません。その他、α1ミクログロブリンやβ2ミクログロブリンなどの免疫関係物質が尿中にも排泄されてきます。また、血液の検査においては、腎機能が低下してくるとBUNの増加、クレアチニンの増加が起こります。ナトリウムは低下し、逆にカリウムは増加します。さらに代謝性のアシドーシスを起こしますし、白血球の数も血液中でも増加し、好酸球も増えてきます。その他には画像診断が役立ちます。腹部CTをとると、急性期の場合には両側の腎臓が肥大していますし、慢性ですと逆に委縮しております。されに非常に特異的なものは、ガリウムのシンチグラフィーで、とりこみが増大していることがこの疾患の特異的な診断になるわけです。更に腎臓へのバイオプシー(生検)により、尿細管上皮が肥大して増成、変性している、炎症細胞が浸潤している、硝子円柱や顆粒円柱などが見られます。間質も浮腫がありますし、特に類上皮細胞と、多核巨細胞性肉芽腫などがあります。最も特異的な反応は蛍光抗体法によりまして、その基底膜にIgGが免疫グロブリンに存在する、C3が線上に沈着している。また慢性になりますと、繊維化が起こるために尿細管が委縮してきます。このように蛍光抗体法等、病理組織により非常に明確な診断ができるわけです。

icon おわりに

 間質性腎炎には、急性と慢性とがありますが、薬剤性のものは急性に起こってくるものですので、医薬品を使用している場合に、今申しましたような症状があった場合には、すぐに尿検査をし、それから血液検査で特異的な、先程申しましたような検査での異常があり、腎機能の低下が見られた場合には、間質性腎炎を考えに入れて診断を進め、早期に対処する必要があります。間質性腎炎は医薬品投与を中止すれば元へ回復するものと考えられます。急性間質性腎炎の発症頻度ですが、原因不明の急性の腎不全の5〜15%といわれており、薬剤性の頻度が最も高いともいわれております。また、高齢者は多少この頻度が高いという報告もあります。
 以上のことを考慮にいれて、診断、検査を進めることにより、早期に発見し慢性化を防げば、医薬品の使用に対しても適切な対応が出来ると思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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