比留間医院 院長
比留間 潔
我が国で開発されてきた遺伝子組換えヒトアルブミン製剤「メドウェイ注®」は、長年の臨床試験を経て、平成19年10月に製造が承認されました。そして、平成20年5月、医療機関に供給され、患者さんに使用できるようになりました。治療のための遺伝子組換えアルブミン製剤は世界で初めてのことです。
ここでは、遺伝子組換えアルブミン製剤「メドウェイ」の特徴と意義、そして使用上の注意点などについて解説させていただきます。
遺伝子組み換えアルブミン製剤の特徴
「メドウェイ」は、ピキア酵母(Pichia pastoris)を宿主として、これにヒトのアルブミン遺伝子を組込んで生産されます。これまでにも、遺伝子組み換え製剤が医療現場で実用化されていますが、多くはマイクログラム程度の使用量です。ところがアルブミンはグラム単位で患者さんに使用されますので、遺伝子組み換えアルブミンが医薬品として実用化するためには、高度の精製技術と生産性が求められます。これを可能にしたのは、ピキア酵母を宿主細胞に選択し、高度の精製技術を開発したことによります。我が国の優れた遺伝子工学技術が生み出した新薬と言えましょう。
実際に、完成された遺伝子組み換えアルブミン製剤をヒト血清から製造された従来のアルブミン製剤と比較すると、構造、組成、物理学的性質、化学的性質、免疫学的性質など、いずれの分析においても両者が同等であることが確認されています。さらに、X線結晶構造解析においても両者の3次元構造が一致することが確認されております。

また、臨床成績においても両者の同等性が示されています。肝硬変による腹水を有する患者さんを対象とした、遺伝子組み換えアルブミン製剤と血液由来のアルブミン製剤の臨床比較試験において、両者ともに、患者さんの血清アルブミン値を同等に上昇させています。
このようなことから、「メドウェイ」はヒト血液由来のアルブミンと同等の製剤と考えられます。
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