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<スズケンDIアワー> 平成20年9月11日放送内容より スズケン

遺伝子組換えアルブミン製剤


比留間医院 院長
比留間 潔

icon 遺伝子組み換えアルブミン製剤使用上の注意点

 「メドウェイ」は平成20年5月から患者さんに実際に使用できるようになりましたが、世界で始めてのグラム単位で使用する遺伝子組み換え製剤ですので、十分な安全性の確認が必要です。

メドウェイ使用上の注意点

 また、製造工程で可能な限り不純物を取り除く、高度の精製技術が導入されていますが、宿主由来のピキア酵母に対するアレルギー反応に注意する必要があります。
 特にピキア酵母に対する問題点につきましては、アメリカの治験で指摘されたことがあります。抗ピキア酵母に対するIgE抗体を持つ健常、成人男性を対象にした治験で、4人中2人に重篤なアレルギー性副作用を認めたとされています。この治験に用いられた治験薬がピキア酵母に対するアレルギー反応の誘発原性が高いことが判明し、これを受け、ピキア酵母の抗原性を低減化するための製造工程のさらなる改良が行なわれました。
 一方、わが国では、肝硬変の患者さんを対象にした「メドウェイ」の繰り返し投与試験が行なわれております。この臨床試験では、合計423例の患者さんが対象となり、このうちピキア酵母に対する特異的なIgE抗体を持つ19例の患者さんに「メドウェイ」が投与されました。しかし、ショックなどのアレルギー反応の副作用は認められませんでした。
 以上の経緯をふまえ、「メドウェイ」を使用する際には、患者さんの抗ピキア酵母に対するIgE抗体の測定を行うことが求められることになりました。
 抗ピキア酵母抗体の測定に関しましては、検査キットがすでに開発されており、病院内で行なうことが可能です。もし、患者さんが抗体陽性であれば、原則的に「メドウェイ」の使用を避けることになっております。また、使用の際には、患者さんにピキア酵母に対するアレルギー反応について十分に説明して、理解と同意を得ることが求められています。

icon 製造販売後調査について

 「メドウェイ」は臨床試験において安全性が十分、確認されていますが、世界でも前例のないタイプの遺伝子組換え製剤であるため、製造販売後調査として使用成績調査が義務づけられています。
 調査対象は、「メドウェイ」の使用実態を反映するため、病院ごとの連続症例とされております。目標症例総数は発売開始後3年間で10,000例の予定です。
 アルブミン製剤は使用される対象疾患がさまざまで、多くの診療科が関連します。調査を円滑にすすめるためには、各病院の血液製剤管理部門がしっかりとした体制をとることが必要と思われます。実際には血液製剤を管理する輸血部門あるいは薬剤部門が、病院内の血液製剤を責任を持って一括管理し、適応や有害事象への対応などを管理できる体制が必要です。
 このようにして始めて、血液製剤の適正使用に基づいた安全性の把握が可能になると思われます。そして、安全で適正な輸血療法を患者さんに提供することが可能になるでしょう。

 以上、新しい遺伝子組み換えアルブミン製剤「メドウェイ」について説明させていただきました。
 本製剤は世界で始めての日本発の画期的な製剤と思われます。将来、アルブミン製剤を必要とするわが国の患者さんだけでなく、世界の患者さんに大いに貢献できることが期待されます。
 今後、安全性の確認を着実に進め、多くの患者さんのために有意義な製剤になるよう、育っていってほしいと願います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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