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<スズケンDIアワー> 平成20年9月25日放送内容より スズケン

ムコ多糖症VI型治療薬 ガルスルファーゼ


国立成育医療センター 臨床検査部長
奥山 虎之

icon ガルスルファーゼの臨床試験について

 ムコ多糖症VI型治療薬ガルスルファーゼの治験は、欧米を中心とした国際共同治験の形で行われました。

12分間歩行試験における歩行距離

 主要評価項目は、12分間歩行距離、すなわち12分間で歩ける距離の変化でした。この検査の結果、プラセボに比べて有意な歩行距離の延長が見られました。

尿中グルコサミノグリカン濃度の変化

 また、尿中のムコ多糖であるグリコサミノグリカンの濃度の低下も顕著であり、酵素補充の開始により、急激に体内のムコ多糖の喪失が起こっていることが示されました。また、治験中に重篤な有害事象により投与を中断した例はなく、安全性も高い薬剤であると評価されました。
 この世界同時治験には、日本人の参加はありませんでした。しかし、本疾患の重篤性や希少性を考慮し、厚生労働省は、未承認薬使用問題検討会議において、日本での新たな治験を行うことなく、欧米での治験結果での審査による承認をする方針を決めました。この方針に基づき、本年3月に承認されていますが、承認条件として、9〜10年間の使用全例についての、製造販売後調査をおこなうことが義務付けられております。
 これは日本において治験を実施しなかったことに対する日本人における有効性と安全性についての評価を再度詳細に行うことが目的とされています。

 現在このムコ多糖症VI型治療薬、ガルスルファーゼで治療をおこなっている日本人患者は3名です。これは極めて珍しい疾患ですので、今後それほど増える可能性は無いかもしれませんが、ムコ多糖症I型、II型の酵素製剤も販売が開始されており、ムコ多糖症全体の早期診断ということが今後重要な課題になっていきますが、早期診断体制が整うことにより、さらにVI型の患者さんがみつかり、ガルスルファーゼの治療対象者が多くなることが今後予想されます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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