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<スズケンDIアワー> 平成20年10月9日放送内容より スズケン

日本社会薬学会第27年会


昭和大学薬学部薬学教育推進センター 教授
亀井 美和子

icon 特別基調講演「薬剤師が法的にできる業務とその範囲」から

 第1日目の「特別基調講演」では、三輪法律事務所の三輪亮寿弁護士に「薬剤師が法的にできる業務とその範囲」について講演していただきました。

三輪弁護士特別基調講演

 講演の中では、調剤助手による調剤補助業務、薬剤師のボディタッチ、後発医薬品の選択権などの具体例について、適法なのか、適法であるときとそうでない時がある場合には、どのような場合が違法となるのか、などについて分かりやすく解説していただきました。医薬品の品質、有効性、安全性の中で、とくに「安全性」の確保(薬害防止)にいかに薬剤師が責任を持って取り組んでいるかが重要となっています。三輪弁護士は、参加者に適法かどうかについて「あなたはどう思いますか?」「なぜそう思うのですか?」などと問いかけ、参加者と対話しながら薬剤師業務の目的とは何かについて講演をされましたが、会場の意見が分かれると「意見が割れるようだから薬剤師の力は弱い」との耳の痛い指摘もされていました。

icon シンポジウム「薬剤師はここまでやれる」から

 基調講演に続き、「薬剤師はここまでやれる?!」というテーマでシンポジウムを開催しました。

シンポジウム1

 このシンポジウムは、一歩踏み込んだ薬剤師業務について、生活者、病院、介護現場の立場から意見を聞き、その法的解釈も含めて討議することをねらいとしました。シンポジストは、医療ジャーナリストで元朝日新聞社編集委員の田辺功氏、東京医科歯科大学附属歯科病院薬剤部長の土屋文人氏、日本介護支援専門員協会会長の木村隆次氏の3人です。田辺氏は、以前「医療崩壊」という著書の中で薬剤師を「顔の見えない薬剤師」と評されましたが、この講演では、患者や生活者にとって薬剤師は何をしてくれる人なのかは伝わっていない現状について指摘され、治療に使う薬を減らすことを含めて、薬剤師が患者の薬物治療や医薬品の評価にもっと貢献しなければならないという考えを示されました。また、土屋氏は、薬剤師が職務を全うするためには薬剤師法第24条を徹底的に行うことが重要であること、薬の適正使用は薬の効果と副作用が評価され処方にフィードバックされるまでの一連の業務であり、疑義照会、医療安全の観点からの供給、他の医療職への情報提供、有害事象の発生・重篤化防止を徹底することが薬剤師のアイデンティティ確保に必要であることをお話されました。また、木村氏は、介護現場での多職種協働のケアプログラムの中での薬剤師の役割について講演され、薬剤によるADLの低下防止、支援が必要と思われる高齢者の地域での掘り起こし、介護相談業務などに薬局が重要な役割を担っていること、それを行うことで医療費の節約にも貢献できることを実例を示しながらお話されました。総合討論では参加者からの質問も活発となり三輪弁護士からのコメントもあり大変盛り上がりました。
 この特別基調講演とシンポジウムからは、真のチーム医療で薬剤師がアイデンティティを示すことが重要であり、それを実現するためにはすべての薬剤師が同じ理念を持って行動することが必要であることが伝わってきました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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