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<スズケンDIアワー> 平成20年10月16日放送内容より スズケン

早発排卵防止薬 ガニレリクス酢酸塩


足立病院 副院長
矢野 樹理

icon 体外受精胚移植法におけるGnRHアナログの使用法

体外受精胚移植法におけるGnRHアナログの使用法

 生殖補助医療の調節卵巣刺激下でのGnRHアゴニストの投与法には、月経初日から投与を開始するショート法と、治療前周期の黄体期中期から投与開始してフレアアップ現象の悪影響を回避するロング法とがありますが、いずれの場合もかなりの期間の連続投与が必要です。それに比べてガニレリクス酢酸塩を代表とするGnRHアンタゴニストは、早発LHサージを抑制するためには卵胞期中期以降の投与で十分であり、結果として、卵巣刺激のためのゴナドトロピン製剤の必要量の減少、卵巣刺激期間の短縮、OHSSの頻度の低下、更年期症状がない、GnRHアナログの使用期間が短く患者満足度が高い、医療コストの削減などの利点があります。ガニレリクス酢酸塩の実際の投与法は、卵巣刺激開始6日目から連日0.25mgを皮下注投与するフィックスプロトコールが基本ですが、そのほか主席卵胞径が14mm以上、E2値が600pg/mL以上などの一定の基準を満たした時点で投与を開始するフレキシブルプロトコールなども提案されています。

icon ガニレリクス酢酸塩の臨床成績

第III相試験の成績

 ガニレリクス酢酸塩の生殖補助医療における臨床成績に関しては、海外での第三相臨床試験の成績では、ブセレリン、トリプトレリン、リュープロライドの妊娠率がそれぞれ25.7%、33.9%、36.4%であったのに対し、ガニレリクスは20.3%、31.0%、30.8%と、いずれのGnRHアゴニスト製剤に対してもほぼ遜色のない妊娠率が得られています。2006年に報告された22のランダマイズドコントロールドトライアルおよび3176症例を対象としたメタアナリシスでも、ガニレリクス酢酸塩をはじめとするGnRHアンタゴニストの生児出生率はGnRHアゴニストのものとかわりがないことが報告されており、今後日本における生殖補助医療のさらなる発展にこのガニレリクス酢酸塩が大きく寄与することが期待されます。

 以上この度承認された早発排卵防止薬ガニレリクス酢酸塩について、ご説明させていただきました。なお本剤の日本での臨床治験はすでに終了しておりますが、その詳細な内容につきましては独立行政法人医薬品医療機器総合機構PMDAのホームページ上で近々公開される予定となっておりますので、機会があればそちらをご参照いただきたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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