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<スズケンDIアワー> 平成20年10月30日放送内容より スズケン

抗酸菌症治療薬リファブチン


国立感染症研究所 ハンセン病研究センター長
森 亨

icon リファブチンの有効性

1) RFP使用不可能例に対して用いることができる

結核多剤耐性例を対象とした治療試験における細菌学的効果

 現在の結核化学療法の中軸になっているのがイソニアジドとリファンピシンであるが、これらのうちリファンピシンが臨床的に使用できない患者は多い場合には10%におよびます。その原因はリファンピシン耐性、ついで肝機能障害などの副作用や胃腸障害などです。
 先ほど申し上げたように薬剤耐性のためにリファンピシンが使えない患者は少なくありませんし、とくに多剤耐性結核になると治療成績は惨めなものになります。その3割程度の人にリファブチンの効果が期待できることは小さくないメリットといえると思います。次に副作用ですが、肝障害の頻度はリファンピシンに比してリファブチンの方が軽いという専門家もおり、その他のより非特異的な副作用に関してもリファンピシンを代替する可能性は小さくないと思われます。Drug-drug交互作用が問題になる抗レトロヴィルス剤始め、経口避妊薬やテオフィリンやワーファリンといった薬剤を使用中の結核患者のリファンピシン使用などではリファブチンに換えることが有利な場合もあり、その場合にはリファンピシン使用中の薬剤の量を適宜減量しないと過剰投与になる恐れもあります。

2) HIV感染合併例におけるRFPの代替

HIV陽性抗酸菌症の治療

 この点に関しては日本でもHIV感染・エイズ患者のHAART療法をしながら結核治療や結核化学予防を行う際にはリファンピシンでなく、リファブチンを用いることがエイズの研究班の援助で行われてきたところですが、今回はそれが正式に認められたことになります。HIV感染の多い若年結核患者では多剤耐性結核の頻度が年長者より高いという現実もあり、このリファブチンのメリットはなおさら大きいものがあるといえます。

3) 非結核性抗酸菌症の治療薬、発病予防薬として

日本の非結核性抗酸菌症

 日本の非結核性抗酸菌症の約7割がMycobacterium intracellulare 、あるいはaviumによる、いわゆるMAC症ですが、リファンピシンはその第一選択の薬剤となっています。リファブチンは先に結核の所でも申し上げたような場合、つまり副作用やHAART療法などにおいてリファンピシンを代替することができます。MAC感染はHIV感染の進行した段階ではかなり高頻度に発生する問題であり、その治療、さらにその予防のためにリファブチンを用いることも推奨されているところです。なお、リファンピシンと並んでMAC症治療の第一優先薬剤であるクラリスロマイシンが、最近日本でもリファブチンに続いて承認されたとのことであり、これも非常に喜ばしいことであります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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