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<スズケンDIアワー> 平成20年11月20日放送内容より スズケン

男性における下痢型過敏性腸症候群治療薬ラモセトロン塩酸塩


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon エクジェイド懸濁錠及びアログリセムカプセルの薬価算定根拠

エクジェイドの薬価算定根拠

アログリセムの薬価算定根拠

 次は、エクジェイド懸濁用錠です。有効成分は、デフェラシロクスで、ノバルティス ファーマの開発です。デフェラシロクスは鉄排泄作用を有し、「注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合の輸血による慢性鉄過剰症」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。本剤の営業利益率の算出にあたっては、内用薬である本剤は、合併症などのため既存の注射用鉄キレート剤による連日の治療が困難な多くの患者に対して新たな治療の選択肢を提供する薬剤であり、革新性が認められると判断されました。ただし、臨床試験の結果を踏まえ、効能・効果が注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合に限定されており、国内における治療症例も限られていることから、限定的な評価とし、平均的な営業利益率プラス10%の営業利益率、すなわち21.1%を用いることとされました。
 次は、アログリセムカプセルです。有効成分は、ジアゾキシドで、シェリング・プラウの開発です。ジアゾキシドはインスリン分泌抑制作用を有し、「高インスリン血性低血糖症」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率19.2%とされました。

icon スーテントカプセルとファムビル錠の薬価算定根拠

スーテントの薬価算定根拠

ファムビルの薬価算定根拠

 次は、スーテントカプセルです。有効成分は、スニチニブリンゴ酸で、ファイザーの開発です。スニチニブリンゴ酸は、腫瘍細胞増殖抑制作用および血管新生抑制作用を有し、「イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能・効果とします。効能・効果、薬理作用などが類似するソラフェニブドシル酸塩の製剤であるバイエル薬品のネクサバール錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。本剤は、既存の抗癌剤イマチニブが効かない消化管の間質腫瘍患者に対する有用な治療薬が存在しない状況で、プラセボに比べて腫瘍が増大するまでの期間の有効な延長が示されていることを踏まえ、有用性加算(II)が適用されました。
 次は、ファムビル錠です。有効成分は、ファムシクロビルで、旭化成ファーマの開発です。ファムシクロビルは核酸合成阻害作用を有し、「帯状疱疹」を効能・効果とします。効能・効果、薬理作用が類似するバラシクロビル塩酸塩の製剤であるグラクソ・スミスクラインのバルトレックス錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。

icon ポプスカイン注及びボプスカイン注シリンジとヒュミラ皮下注シリンジの薬価算定根拠

ポプスカインの薬価算定根拠

ヒュミラの薬価算定根拠

 次は、ポプスカイン注及びポプスカイン注シリンジです。有効成分は、塩酸レボブピバカインで、丸石製薬の開発です。塩酸レボブピバカインは痛覚神経遮断作用を有し、0.25%製剤は「術後疼痛」を、0.75%製剤は「硬膜外麻酔」を効能・効果とします。効能・効果、薬理作用が類似する塩酸ロピバカイン水和物の製剤であるアストロゼネカのアナペイン注を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。本剤は、市場環境が小さい局所麻酔剤に該当することを踏まえ、市場性加算(II)が適用されました。なお、ポプスカイン注シリンジはキット製品ですが、平成20年度の薬価制度改革により、既収載品のキット製品と比較してキットの構造・機能に新規性が認められる場合に限ってキット加算を行うこととされたことから、キット加算は行われませんでした。
 次は、ヒュミラ皮下注シリンジです。有効成分は、遺伝子組換えのアダリムマブで、アボットジャパンの開発です。アダリムマブはTNFα阻害作用を有し、「既存治療で効果不十分な場合の関節リウマチ」を効能・効果とします。効能・効果などが類似する遺伝子組換えのエタネルセプトの製剤であるワイスのエンブレル皮下注用を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。本剤は、キット製品ですが、先ほどのポプスカイン注と同じ理由により、キット加算は行われませんでした。なお、算定薬価が外国平均価格の3/4を下回ることから、外国平均価格調整による引き上げが行われています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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