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<スズケンDIアワー> 平成20年11月27日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(17) 横紋筋融解症


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon 薬剤による横紋筋融解症

薬剤による横紋筋融解症

 そこで医薬品について先にお話いたしますと、JAPICでその横紋筋融解症が重大な副作用の中に掲載されている品目を調べますと、一般名ではなく商品名の数としては1485品目が出てきます。当然、全部にふれるわけはいきませんが、有名な6つばかりの大きな分類でお話したいと思います。第1番目は高脂血症治療薬のHMG-CoAの還元酵素阻害薬(スタチン)で、例えば商品名でメバロチンなどがありますが、これには頻度不明と書いてあります。その次に、やはり高脂血症治療薬のクロフィブラート系薬剤で、一例として商品名を申し上げますと、ベザトールSRにはスタチン系との併用は禁忌と書かれております。また、いわゆる向精神病薬(鬱病治療薬も含む)、例えばハロペリドールやクロルプロマジンなどですが、そこでは悪性症候群を起こす場合があり、それにより横紋筋融解症が起こる可能性があります。第4番目には麻酔薬、あるいは筋の弛緩薬などの使用している場合に、悪性高熱症という症候群を起こすことがあり、この場合にも横紋筋融解症が起こってきます。低カリウム血症を起こす多くの医薬品がありますが、例えば漢方薬など、特に甘草由来などの医薬品には必ず書いてあります。その起こってくる機序ははっきりしており、甘草成分がアルドステロンと似たような作用で、11β-HSDを阻害しますと、コルチゾールがアルドステロン作用のような作用を遠位の尿細管で示し、アルドステロンが増えたような偽のアルドステロン症を示し、低カリウムになります。また、多くのインターフェロン、例えばペグイントロンなどには頻度が不明と書いてありますが、横紋筋融解症が書かれております。

急性腎不全と横紋筋融解症の病態図

 結局、尿の色が赤くなるというのは、筋肉から出てくるミオグロビンという蛋白が尿細管の近位から遠位の方を傷害するのと、ミオグロビン自体が尿細管の中に円柱を作り、そのために尿の流れが悪くなることで急性腎不全を起こすわけです。
 このように非常に多い症候群ですので、あらゆる医薬品の服用時に、先ほど申したような症状があった場合には、すぐにCK(クレアチニンキナーゼ)を調べれば、診断的は比較的容易な疾患です。

 

提供 : 株式会社スズケン



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