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<スズケンDIアワー> 平成20年12月4日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全情報-最近の話題(14)


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 救済給付制度の対象にならないケースとその理由

健康被害救済制度の救済対象にはならないケース

 救済給付の対象とならない場合については、これまでに、7,400人余りの方々に給付が行われてきましたが、一方で1,200人余りの方々には、支給されないという決定がなされてきました。次の事例は、健康被害救済制度の救済給付の対象にはなりません。
 法定予防接種を受けたことによるものである場合。製造販売業者など、他に損害賠償の責任を有する者が明らかな場合などです。
 支給されない理由としては、「因果関係なし」と「入院を要する程度または障害の等級に該当しない」とで70%強を占めました。医薬品が使用されていても、発現した健康被害と当該医薬品との因果関係が認められない場合、入院を必要とする程度の医療が行われなかった場合等では支給されないことになります。
 また、「不適正目的または不適正使用である」として支給されないと決定された事例が約20%あります。添付文書の使用上の注意に従わずに使用された場合は、医薬品等の使用によって生ずるおそれのある健康上の危害を防止するという観点からも問題がありますが、健康被害が発生したとしても本制度による救済がなされない場合があります。
 健康被害救済制度による健康被害者の救済のためには、医師や薬剤師など医療従事者の方々の理解と協力が不可欠です。医薬品等は、その使用に当たって万全の注意を払ってもなお副作用等の発生を防止できない場合があります。このようなことから、その副作用等の被害の救済については、民事責任とは切り離し、迅速かつ簡便な救済給付を行う本制度によって対応が行われるべきです。医療従事者の中には、請求に必要な診断書等を作成することにより、その健康被害がまるで適切でない医療行為によるものであると認めることとなってしまうのではないかと誤解され、作成することを躊躇するような事例に遭遇することがあります。しかし、本制度は、あくまで医薬品等による健康被害者の迅速な救済を目的としており、医療従事者から提供される診断書等は救済の支給を決定する際に重要な資料となります。

独立行政法人委託品医療機器総合機構(救済制度窓口)

 また、副作用等による健康被害の可能性があると相談を受けた場合、その健康被害が本救済制度の対象になると思われたときには、健康被害を受けた本人や遺族の方に本制度を紹介するとともに、救済給付の請求方法、給付の種類・請求期限等、必要な書類について、健康被害救済制度の問い合わせ先等を教えてあげることが必要です。

 

提供 : 株式会社スズケン



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