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<スズケンDIアワー> 平成20年12月25日放送内容より スズケン

第22回アジア薬剤師会連合学術大会


日本薬剤師会 副会長
山本 信夫

icon 分科会と特別セミナーの話題から

 その一方で、二日目からそれぞれ分科会が開催されました。この分科会については毎年決められたテーマではなしに、時々に応じたあるいは先を見たテーマがあげられるわけですが、今回はメインテーマに沿った、患者中心のための革新的な医薬品の開発あるいは患者のための医療の費用あるいは安全性の便益というものについての議論、さらには化学と基礎研究を実務にどう反映していくか、まさにTranslationalなリサーチをするという3つのシンポジウムが組まれていました。
 特別セミナーは、薬学的なもので、比較的この地域も日本同様進んでおりますけれども、ドラッグデリバリーシステムの最近の進歩についての講演もございました。また、フォーラムが3つほど組まれおり、Pharmacovigilance、薬物治療の効果を上げるための話題、禁煙、在宅ケア・在宅医療の中で薬剤師の役割にどんなものがあるのかということについて議論がされました。Pharmacovigilanceにつきましては、日本は比較的厳格なシステムを持っておりますけれども、やはりアジア地域ではCounterfeitといって偽薬ともいいましょうかそういったものがかなり流通しているということで、その監査システムについて大変興味があるようでありまして、様々な議論が進んでおりました。日本からは医薬品医療機器総合機構から二人の講師が参加して日本の現状について報告をしています。
 一方、禁煙に関しては、まさに日本の中でも「禁煙」が流れでございますので、そうした部分で薬物治療にどう影響するか、禁煙をすることがどれほど健康に良いことかということにつきまして議論がなされました。
 一方、在宅ケアにつきましては日本の中でも大きな問題でありますが、やはりアジア的にも大変大きな問題でして日本と同じようにインフラももちろんですが、要員の問題も十分ではないということもあり、かなり議論が行われたと思っております。参加者はおよそ全体で1100人ほどで、シンガポールを除いてもかなりの地域の薬剤師が参加をしています。こうして二年に一度集まることによってアジアの中で様々な意見の交換があり、かつ情報の共有があり、そうして加えて言えば先進的な国からまだ発展途上にある国々に対して情報がそれぞれ提供されるということが今回の会の特徴であり、活発に行われたものと確信をしております。
 シンガポールは非常に若い国でありますが、保険制度は比較的イギリスに似た制度を持っております。若い国でありながら、どうやって自分たちの保険制度あるいは、自分たちの将来を保険の中で、いかに設計していくかということについてまじめに考えているようでありました。フィールドトリップでもシンガポール市内からかなり遠くのマレーシアに近いところに新しくできたヘルスセンターの実態を見ることができましたけれども、そこでもなるべく保険の費用を使わずに自分で治して、どうしようもなかったら医師にかかるという、日本でも提唱されていることが積極的に推進されているという意味では日本も見習うべきだという感じを持った参加者が多数いたようであります。

icon FAPAに期待するもの

 2年に1回開かれるこの会ですが、次回は台湾の台北市で開かれます。次回開催に関して大変力の入った講演があり、経済的に苦しく参加したくともできない国々には、資金的なサポートも検討するということまで計画中と説明がありました。さらに4年後の2012年にはインドネシアのバリ島で開催されます。バリ島では何年かぶりで開催されますが、そうした中でどれだけインドネシアの薬事事情が変化したか楽しみな会であり、日本薬剤師会でもこの2つの会にぜひたくさんの薬剤師が参加し日本とアジアの国々との違い、あるいは似たところといったものを勉強しながら自分たちの日々の業務に反映できるような後押しをしたいと思っております。

 

提供 : 株式会社スズケン



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