→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成21年1月1日放送内容より スズケン

抗てんかん薬 ラモトリギン


静岡てんかん・神経医療センター 院長
藤原 建樹

icon てんかん治療の現状

 てんかんは生涯発病率3%とも言われ、きわめてありふれた大脳の疾患です。新たにてんかんを発病した患者の約7割は在来からの抗てんかん薬による治療で発作が消失します。しかし、残り3割の患者では発作は抑制されず、しかもその多くはてんかん外科治療の候補になりがたいのが実情です。有効で安全な新しい抗てんかん薬の開発が待たれてきました。欧米では1990年代に入ってから、有効性と安全性の向上をめざして新しい抗てんかん薬が次々に開発されてきました。米国では、過去10年間にフェルバメイト、ガバペンチン、ラモトリギン、トピラマート、チアガビン、オキシカルバマゼピン、レベティラセタム、そしてゾニサミドの8剤が発売されています。我が国では新薬の承認が海外に較べて著しく遅れていましたが、2006年にガバペンチン、2007年にトピラマートとが承認・発売され、そして2008年にはラモトリギンがようやく承認されました。本日はラモトリギンの国内外の主な臨床試験を紹介し、てんかん薬物治療における本剤の位置づけについてお話しします。

icon ラモトリギンの概要

本邦における新規抗てんかん薬の適応

 ラモトリギンはトリアジン骨格を有する新しい抗てんかん薬で、興奮性アミノ酸の放出を抑制することにより抗てんかん作用を発揮するとみなされています。「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない成人ならびにこどもの部分発作、全般性強直間代発作に対する併用療法薬、Lennox-Gastaut症候群(LGS)の主な発作型に対する併用療法薬」として2008年10月に国内で承認を取得しました。
 部分発作にも全般発作にも有効であり、広いスペクトラムをもちます。1990年にアイルランドで成人部分てんかん患者に対する併用療法薬として承認を取得して以来、2008年1月時点で成人については104ヵ国で、小児については93ヵ国で承認を取得しています。単剤療法薬として承認している国もあります。
 本剤は最近認可された新しい抗てんかん薬の中で唯一小児並びに全般発作にも適応が認められています。忍容性が高い、QOLを改善、てんかんに伴う精神症状、行動障害を改善、認知機能に対する影響がない、体重への影響がないなどの様々な優れた特徴をもち、海外の治療ガイドラインで高い評価を得ていま。海外での2008年3月迄の使用状況は延べ500万人以上に投与され、世界でもっとも汎用されている新規抗てんかん薬です。

Lamotrigine:併用に注意を要する薬剤

 半減期は平均25時間と長く、バルプロ酸と併用するとさらに長くなります。グルクロン酸抱合により代謝を受けますので、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマセピンなどのグルクロン酸抱合を誘導する薬剤と併用すると代謝が促進され血中濃度が上がり難く、バルプロ酸のようにグルクロン酸抱合を阻害する薬物と併用すると代謝が阻害され血中濃度が上がりやすくなります。このため併用する薬物により本剤の用量、とくに初期用量を調整する必要があります。

 

提供 : 株式会社スズケン



1 2 3 次項へ