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<スズケンDIアワー> 平成21年1月1日放送内容より スズケン

抗てんかん薬 ラモトリギン


静岡てんかん・神経医療センター 院長
藤原 建樹

icon 成人難治てんかんにおける併用療法

発作頻度減少度

 成人難治てんかんを対象としたラモトリギン併用療法に関するRCTによると、ラモトリギンは部分発作、とくに二次性全般化発作で優れた効果を示しました。バルプロ酸非併用の成人難治てんかんに対する併用療法では、300mg群は100mg群にくらべ、発作頻度、発作強度いずれ面でも優れており、本剤の用量依存性の効果が示されています。

米国エキスパートコンセンサスガイドライン

 新薬の登場にかかわらず特発性全般てんかんの全般発作に対してはバルプロ酸が、部分てんかんの部分発作にはカルバマゼピンがなお第一選択薬です。米国におけるてんかんに対するエキスパートコンセンサスにおけるラモトリギンの併用薬としての位置づけをみますと、特発性全般てんかんでのバルプロ酸併用薬としてラモトリギンは一次選択薬として、部分てんかんでのカルバマゼピンの併用薬としても通常一次選択薬として、それぞれ高く評価されています。

icon US、UKガイドラインでのラモトリギンの位置づけ

幅広い発作型に効果を発揮

 米国てんかん学会および英国のてんかんの診療ガイドラインにおけるラモトリギンの位置づけをみますと、部分てんかんに対しても、全般てんかんに対しても推奨され、成人のみならず小児に対しても推奨されています。米国のガイドラインでは新たに発病したてんかん患者にも新薬が推奨されていますが、英国のガイドラインでは在来薬での効果が期待できない、在来薬が禁忌、妊娠の可能性のある婦人などの限られた状況でのみ新薬の使用を推奨しています。なお我が国では単剤での臨床試験はなされておらず、併用療法でのみ適応が認められています、このようにラモトリギンは在来薬にみられるさまざまな短所が少なく、使いやすさの面では優れており、主要な診療ガイドラインで高く評価されています。

 新薬の導入により抗てんかん薬治療の選択肢が広がったことは、医師にとっても患者にとっても喜ばしいことですが、反面、どの薬物を選択すべきか判断が難しくなりました。実地診療では、まず発作型にあった適切な在来薬による単剤治療を試みます。半分以上の患者はこれで発作が止まります。最も重要なポイントは発作型診断であり、診断が正しいかどうかが治療の成否を左右します。最初の単剤治療の効果が不十分な場合には、他の在来薬の追加、あるいは切り替え、もしくはラモトリギンなどの新薬を追加します。新薬の選択については、患者の状態を個別に評価し、その病状と新薬の特徴を勘案して決めて行くのが良いと思われます。新薬が適切に使用されれば、てんかんを持つ人々のさらなる生活の質の向上が期待できるでしょう。

 

提供 : 株式会社スズケン



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