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<スズケンDIアワー> 平成21年1月8日放送内容より スズケン

緑内障治療点眼薬 タフルプロスト


岐阜大学大学院眼科学 教授
山本 哲也

 本日は新しい緑内障治療薬であるタフルプロスト(商品名タプロス点眼液0.0015%)を紹介します。
 タフルプロストはプロスタグランジンF2α関連点眼薬で、化学構造的には基本骨格の15位の炭素にフッ素がふたつ結合しているのが特徴とされています。タフルプロストはヒトFP受容体に対する親和性が高いという薬理学的な特徴があり、それが強力な眼圧下降作用に結びついていると考えられます。

icon 緑内障治療の現状とプロスタグランジン製剤の位置づけ

 タフルプロストの話を進める前に、現在の緑内障薬物治療の概要とその中でプロスタグランジン関連薬の占める位置について解説をしたいと思います。

現代の緑内障治療

 緑内障の治療には、薬物療法、手術療法、レーザー治療があります。緑内障にはいくつかのサブタイプがあります。わが国において主要な緑内障病型である開放隅角緑内障では薬物治療が治療の基本であります。また、緑内障の薬物治療には、眼圧下降治療と視神経の賦活を目指す治療がありますが、眼圧下降薬が主な薬物です。その眼圧下降薬には、点眼薬、内服薬、注射薬、点滴用薬剤がありますが、一般的には点眼薬が緑内障治療薬の大部分を占めています。眼圧下降点眼薬には、本日の主題であるタフルプロストも含まれるプロスタグランジン関連薬のほか、交感神経β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬、交感神経刺激薬、交感神経α1遮断薬、交感神経α2刺激薬などがあります。こうした様々の眼圧下降薬を、単独または組み合わせて継続して点眼することにより、眼圧を十分、かつ、持続的に下降させ、視野ほかの視機能を保持するというのが、現在の緑内障治療の基本的な戦略です。薬物の選択には、眼圧下降効果、副作用、薬物の使いやすさなどを考慮に入れます。緑内障の治療は長期に及びますので、目に優しく、眼圧が十分に下がり、また、点眼回数の少ないものがより適しています。現在では、プロスタグランジン関連薬と交感神経β遮断薬が第1、あるいは第2選択になるケースが多いようです。なかでも、プロスタグランジン関連薬は世界的に見ても第1選択とされることが多くなってきています。その理由は、第一にもっとも眼圧下降効果が強いことが挙げられます。また、点眼回数が1日1回で済むためコンプライアンスが良好であること、全身的な副作用がほとんどないことも大事なポイントです。プロスタグランジン関連薬は目および周囲組織に特異的な副作用をきたしますので注意が必要です。それは、(1)虹彩の色素増加、(2)眼瞼、特に下まぶたの色素増加、(3)睫毛が太く長くなる、ことです。この三つの変化は色素細胞に関係する変化で、半年程度以上点眼を続けていると多くの症例で認められます。白人では虹彩色素の変化、日本人では、まぶたやまつげの変化を気にされる方が多いのですが、程度は様々ですし、病状から薬物をどうしても使いたい状況も多いので、投薬を続けるか中止するかは患者の状態を総合的に判断して決定することになります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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