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<スズケンDIアワー> 平成21年1月22日放送内容より スズケン

排卵誘発剤フォリトロピンベータ


帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科 教授
西井 修

icon フォリトロピンベータの臨床試験成績

 フォリトロピンベータの基礎研究は、1985年よりオランダで開始され、1995年にニュージーランドで初めて承認を取得しました。

ゴナドトロピン製剤を用いたARTの最大規模無作為比較試験

 欧州11ヵ国の18施設が参加し、1992年3月〜1993年8月に実施された、生殖補助医療におけるゴナドトロピン製剤の効果を検討した最大規模の無作為化比較試験では、フォリトロピンベータ群の採卵数、成熟卵数、良好胚数が尿由来FSH群より有意に良好であり、凍結胚移植を含む累積妊娠継続率にも有意差を認めました。また、フォリトロピンベータ群は、FSHの投与日数、総投与量も有意に少なく、治療の有効性に優れていました。
 国内においては、1992年より臨床第I相試験が開始され、排卵誘発を適応とした臨床開発が進められていましたが、1999年より生殖補助医療における「調節卵巣刺激」に関する開発に着手しました。この時点で、フォリトロピンベータは、欧米をはじめ世界80ヵ国以上で承認を得ており、海外で臨床データが数多く存在したことから、これらの試験を参考とし、2000年より国内における第III相試験を開始しました。この結果をもとに本剤の「複数卵胞発育のための調節卵巣刺激」における有効性および安全性を評価し、2005年4月に生殖補助医療における「複数卵胞発育のための調節卵巣刺激」の適応で、製品販売承認を取得しました。

フォリスチムの国内III相試験

 さらに、クエン酸クロミフェン治療による排卵誘発が無効な患者を対象に2001年から国内第III相試験を開始し、有効性、安全性および排卵誘発プロトコールの検討を行いました。治験薬の投与は、自発月経又は黄体ホルモン投与による消退出血発来後3日以内に開始し、初期投与量1日50IUを7日間皮下投与後、平均径12mm以上の卵胞が1個も認められない場合は2週目より1週間間隔で25IUずつ増量するものです。平均径18mm以上の卵胞が1個以上確認されるまで投与を継続し、最高用量は125IUとしました。排卵はhCG 5,000IU又は10,000IUにより誘発しました。平均径15mm以上の卵胞が4個以上確認された場合は、治験薬の投与を中止し、hCG製剤投与をキャンセルしました。フォリトロピンベータ投与期間は最長28日とし、1周期のみに限定しました。排卵率は85.7%、投与日数は平均で13.7日、排卵例の投与期間は7〜25日、総投与量は平均で879.5単位、排卵例の総投与量は350〜2150単位でした。この結果、より少ない投与量での有用性が確認され、2005年6月に「視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵および希発排卵における排卵誘発」の適応で承認申請を行い、2007年1月に適応取得が承認され、この適応で2007年3月に、商品名フォリスチム注50と75が薬価収載されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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