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<スズケンDIアワー> 平成21年1月22日放送内容より スズケン

排卵誘発剤フォリトロピンベータ


帝京大学医学部附属溝口病院産婦人科 教授
西井 修

icon フォリトロピンベータ投与の留意点

重要な基本的注意

 ゴナドトロピン製剤を用いた不妊治療では、高い妊娠率が期待できるものの、連日にわたる長期の通院が必要で日常生活に支障が出る場合が多く、コンプライアンスに問題がありました。これを解決するには在宅自己注射の導入が望まれていました。しかし、在宅における排卵誘発を目的とする性腺刺激ホルモン製剤を用いた治療については、在宅自己注射指導管理料は算定できないことにとなっていました。そこで、日本産科婦人科学学会をはじめ関係団体は、自己注射の安全性は適切なガイドラインを設定することで安全性を担保できると考え、2007年8月にゴナドトロピン製剤の在宅自己注射の保険適用を厚生労働省に要望いたしました。
 そして、2008年6月には、性腺刺激ホルモン製剤に含まれるフォリトロピンベータ製剤を、「視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の治療のために投与した場合に限って、在宅自己注射指導管理料を算定できることになりました。これにあわせて、2008年10月にカートリッジ製剤(商品名:フォリスチム注300IU・600IUカートリッジ)が発売されました。

 フォリトロピンベータ製剤は、水溶液製剤なので溶解の必要がなく、専用ペン型注入器にセットしてすぐに皮下投与が可能で、ダイアル操作により投与量を簡便に調整し、投与することができます。また、50IUから450IUまでの注射量を25IU毎に調整することが可能です。

用法・用量

 用法及び用量ですが、視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発に使用する場合は、通常1日50国際単位を7日間皮下又は筋肉内投与します。その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整し、卵巣の反応性が低い場合は、原則として7日間ごとに25国際単位を増量、平均径18mm以上の卵胞を超音波断層法により確認した後、胎盤性性腺刺激ホルモン製剤により排卵を誘起します。
 複数卵胞発育のための調節卵巣刺激に使用する場合は、通常1日150又は225国際単位を4日間皮下又は筋肉内投与します。その後は卵胞の発育程度を観察しながら用量を調整し(通常75〜375国際単位を6〜12日間)、平均径16〜20mmの卵胞3個以上を超音波断層法により確認した後、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤により排卵を誘起します。
 在宅自己注射は医師の指導のもと、自己注射に対応した管理が必要となりますが、長期連日の通院が不要であり、通院に要する時間と費用が低減し、安全性の高い低用量法が容易になるなど多くの利点があり、今後の不妊治療に大きく寄与することが期待されます。

 以上、「視床下部-下垂体機能障害に伴う無排卵及び希発排卵における排卵誘発」の治療のために投与した場合に限っては、在宅自己注射指導管理料を算定できることになり、これに合わせて昨年発売されたフォリトロピンベータについてご説明いたしました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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