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<スズケンDIアワー> 平成21年1月29日放送内容より スズケン

閉経後骨粗鬆症治療薬 エストラジオール・レボノルゲストレル配合剤


東京女子医科大学産婦人科学 主任教授
太田 博明

 骨粗鬆症とは女性の方が男性より明らかに多い、性差のある疾患として有名ですが、女性の骨粗鬆症を閉経後骨粗鬆症といい、男性の骨粗鬆症とは区別しています。
 本日は、女性の骨粗鬆症である閉経後骨粗鬆症の治療薬として、新しいタイプのエストロゲン製剤がわが国でも初めて使用可能になりましたのでお話したいと思います。

icon 骨粗鬆症の疫学と薬物治療

 女性における体内のエストロゲンは思春期に急激に増加し、初経を迎え、思春期の後半、18歳位に最大骨量に到達します。エストロゲン分泌が十分である妊娠・分娩が可能な性成熟期には骨量は一定値を保ち、それを若年成人平均値といい、44歳位まで続くといわれています。しかし、平均的な日本人女性では45歳位から骨量の低下が始まります。そして、60歳位で骨粗鬆症の予備群である骨量減少に、そして70歳位で骨粗鬆症を発症します。
 しかし、骨粗鬆症は全ての高齢者が罹患するものではなく、80歳以降であっても約半数の方は罹患しません。このことは骨粗鬆症が加齢のせいではなく疾患であること、すなわち骨代謝異常であることを示しています。本症に罹患するとどのような支障があるかといいますと、椎体をはじめ大腿骨頸部などの骨折を来しやすくなります。特に大腿骨頸部骨折を来すと、その約10%は1年以内に死亡し、また約30%は日常生活動作に障害が残ります。この大腿骨頸部骨折は、2008年の日本全国調査によると男女併せて約15万人が発生したといわれており、わが国の骨粗鬆症は骨折防止効果に優れた薬剤があるにもかかわらず、先進諸国に比べて骨折防止という効果が挙がっていません。
 骨粗鬆症の薬物介入は骨折防止を目的としてなされます。従って、骨粗鬆症治療薬は骨密度増加効果ばかりでなく、骨折防止効果を有することが不可欠です。これらの薬剤として、世界で主流となっている薬剤は現時点では骨の溶け出し、骨吸収を抑える骨吸収抑制剤が第一選択となっています。その薬剤として、アレンドロネート、リセドロネートに代表されるビスホスフォネート製剤と、エストロゲン作用を有する選択的エストロゲン受容体モデユレーター(SERM)であるラロキシフェンとエストロゲン製剤があります。

icon 新しいエストロゲン製剤の特徴

ウェールナラ配合錠概要

 わが国のエストロゲン製剤として、骨粗鬆症の保険適用を有している薬剤は、経口薬として生物活性の最も弱いエストロゲンであるE3と呼ばれるエストリオール製剤が、また、経皮薬としてはエストラジオール(E2)製剤があります。ところが、昨年10月、更年期障害治療薬として販売されていた経口E2製剤の商品名ジュリナ0.5mgが、1mgの経口薬として閉経後骨粗鬆症の効能・効果の追加承認を得ました。加えて、E2 1mgにレボノルゲストレル0.04mgを含有する経口剤である商品名ウェールナラ配合錠も昨年、閉経後骨粗鬆症治療薬として製造承認を得、保険収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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