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<スズケンDIアワー> 平成21年1月29日放送内容より スズケン

閉経後骨粗鬆症治療薬 エストラジオール・レボノルゲストレル配合剤


東京女子医科大学産婦人科学 主任教授
太田 博明

icon 国内臨床試験成績から

 本日は、経口E2製剤でありますジュリナ錠および黄体ホルモンであるレボノルゲストレルを含有したウェールナラ配合錠の国内臨床試験結果についてお話しさせていただきます。
 本試験は自然閉経後または両側卵巣摘出に伴う骨粗鬆症患者、45歳から75歳の299例を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検試験です。

投与方法

 プラセボ77例を対照とし、E2 0.5mg16例とE2 0.5mgおよびレボノルゲストレル0.04mg配合の55例、計71例、そしてE2 1mgの38例とE2 1mgおよびレボノルゲストレル0.04mg配合の113例、計151例に104週、毎日1日一回投与による3群比較試験を行いました。そしてE2による骨量増加に対する至適用量と骨量増加効果に対する有効性の検証を行いました。なお、子宮摘出患者にはE2単剤を、また子宮を有する患者にはE2とレボノルゲストレル配合剤を投与しています。また、基礎治療薬としてカルシウム500mgとビタミンD3 200IU製剤を全例に投与しています。

腰椎骨密度変化率

 その結果、52週間後における腰椎(L2-4)骨密度の変化率は、プラセボ群が0.11%、E2 0.5mg群が6.57%、E2 1mg群が7.95%であり、E2投与の両群はプラセボに対して、0.1%の危険率にて有意に腰椎骨密度の増加を認めました。さらに、104週においては、E2 0.5mg群が7.96%の増加に対し、E2 1mg群は10.15%の増加を認め、1mg群が0.5mg群よりも危険率5%にて有意に腰椎骨密度の増加を認めました。なお、52週までプラセボを投与した例にE2 1mgを投与したところ、104週後、すなわちE2投与52週後には、6.84%の増加を認め、開始時acetateからE2 1mgを52週投与したときの骨密度増加率7.95%と遜色ない増加を認めています。なお、結合型エストロゲンあるいは結合型エストロゲンに酢酸メドロキシプロゲステロンmedroxyprogesteroneacetate(CMPA)を日本人閉経後女性に投与した場合、1年で7%、2年で10%増加するといわれているので、E2あるいはE2+レボノルゲストレルにおいてもほぼ同等の効果を有するものと思われます。

icon エストロゲン製剤による腫瘍マーカーの推移

 これらのエストロゲン製剤の骨密度効果は骨吸収抑制作用によるものと想定されますが、それを裏付ける骨代謝マーカーの動きについて説明させていただきます。尿中骨吸収マーカーであるT型コラーゲン架橋Nテロペプチド(NTX)は、開始時60弱nmolBCE/mmolCrと亢進していたものが、E2投与群は0.5mg、1mgともに投与4週にて40nmolBCE/mmolCrと早くも抑制され、12週ではそれらが40以下から35近くまで低下し、28週ではほぼ30近くまで低下、以後52週、104週に至るまで、それが持続しました。一方、プラセボは12週で55位まで低下しますが、52週までそれ以上の低下はなく、52週の時点でE2 1mgに切り替えると28週後の80週には最初から投与していたときの28週時と同様に、30nmolBCE/mmolCrまで低下し、52週後、プラセボ投与開始から104週に至るまでその値は維持されました。

骨代謝マーカー変化率

 一方、血中骨形成マーカーの骨型アルカリホスファターゼ(BAP)は投与開始時においては3群いずれも30U/Lと基準値より高値にて、骨代謝は亢進状態にありましたが、E2による実薬投与4週間で若干の亢進を認め、12週ではやや低下を示し、28週では20そこそこまで、また52週では20を切る位まで、そしてそれが試験終了時の104週まで持続しました。つまり、E2を投与すると、骨形成は抑制されますが、それが発現するのは骨吸収より遅れます。また、52週までプラセボを投与した群にE2 1mgの実薬に切り替えますと、最初から実薬を投与した群と同様の骨形成能の低下が認められます。以上のごとく、骨密度の増加に見合う、骨代謝回転の抑制がE2の投与で認められました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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