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<スズケンDIアワー> 平成21年2月12日放送内容より スズケン

女性ホルモン貼付剤エストラジオール・酢酸ノルエチステロン配合剤


東京歯科大学市川総合病院産婦人科 教授
松 潔

icon 経皮エストラジオール製剤のメリット

経口エストロゲン剤による肝臓初回通過効果

 経口剤では小腸での吸収後、肝臓で代謝されるため「肝臓初回通過効果」と呼ばれる影響を受け、脂質代謝や炎症、凝固系への好ましくない作用を引き起こす可能性があります。一方、経皮投与は卵巣からのエストロゲン分泌同様にまず全身循環系に入り、のちに肝臓で代謝を受けるため、初回通過効果を回避した、より生理的な投与法と考えられます。
 従って経皮剤では、脂質への好影響、ひいては血管炎症の低下から動脈硬化や冠動脈疾患リスクを低下させ、また、凝固系への低い影響から血栓症のリスクを上昇させにくいことが考えられます。また、胆嚢疾患のリスクも経皮剤では経口剤より低いことが報告されています。また、昨年には実際に経皮剤においては心筋梗塞のリスクが低いことが報告されましたし、乳癌についても結合型エストロゲン経口剤投与において有意に上昇するリスクが経皮剤では有意差を認めなかった、つまり乳癌についてもメリットがあるという報告もあります。従って経皮吸収剤には経口剤、特に結合型エストロゲンであるプレマリンに比較して有利な点が多いといえます。

icon HRTにおける黄体ホルモンの投与

 HRTに使用されるエストロゲンは、単独では子宮内膜に作用して子宮体癌やその前癌病変である子宮内膜増殖症を増加させることが知られており、子宮を有する女性に対しては黄体ホルモン、プロゲスチンを併用することが必要です。わが国ではプロゲスチンとしては、経口製剤である酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)がほとんど唯一の薬剤でした。
 このため子宮を有する女性に対しては、経口剤のみならず経皮吸収剤を使用している場合にもMPAを経口投与することが必要であり、貼って飲む、また、貼り替えない日にもMPAを飲むといった煩雑な服用となるため、飲み忘れなどを生じ、コンプライアンスを低下させていました。また、保険上、MPAは主薬の効能を補助し、または副作用を防止あるいは緩和する目的で添加される薬剤としての、いわゆる佐薬扱いであったため混乱する場合も少なからずありました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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