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<スズケンDIアワー> 平成21年2月12日放送内容より スズケン

女性ホルモン貼付剤エストラジオール・酢酸ノルエチステロン配合剤


東京歯科大学市川総合病院産婦人科 教授
松 潔

icon 新しい経皮貼付剤の登場

メノエイドコンビパッチ

 この欠点を解消したのが、平成21年2月5日に上市されたエストラジオール・酢酸ノルエチステロン配合剤(商品名:メノエイドコンビパッチ)です。経皮貼付剤である本剤には17βエストラジオール 0.62mmとともにプロゲスチンとして酢酸ノルエチステロン 2.70mgが配合されているため、MPAの経口併用投与を必要としません。
 本剤は欧米を中心に世界40カ国以上で承認されており、日本に経皮貼付剤が導入されて以来、長く待たれていた製剤です。また、4日間効果が持続するため、1週間に2回の貼り替えで済むことから、患者にとっては簡便です。見た目も白色半透明という貼付時にも気にならない色合いで、かつ直径3.4cm、面積9cm2と目立ちにくい大きさとなっています。貼付剤では皮膚刺激が心配との声もありますが、先行薬剤や絆創膏を用いた比較試験でも臨床上、許容範囲でした。

hot flash、発汗の改善効果

 さらに本剤に含有されるエストロゲン、プロゲスチンのホルモン量によって、日本人女性における更年期障害に十分有効であることも確認されています。16週間投与による各症状の改善率では、hot flashにおいてプラセボが52.6%に対し、本剤は85.2%、発汗の改善率でもプラセボ57.7%に対し、本剤は81.4%とそれぞれ有意に改善を認めていました。
 一方、エストロゲンによる子宮内膜への影響を示す指標の一つである子宮内膜の厚さに対しても本剤は大きな変化を与えず、さらには1年間の投与において子宮内膜増殖症を発生させないことが確認されています。また、プロゲスチンとして酢酸ノルエチステロンを用いても、MPAを用いたときと乳癌のリスクにも変化がないことも報告されています。
 これらのことから本剤はHRT施行時に有効かつ安全に使用できる薬剤といえます。なお、経口剤においてもプロゲスチンとしてレボノルゲストレルを用いた配合剤が上市されました。ただし、本剤は閉経後骨粗鬆症にのみ保険適応があります。

icon Life design drugとしてのHRT

 近年、欧米ではホルモン剤のことをLife design drugと呼ぶそうです。現代女性においては価値観の多様化に伴い、ライフスタイルも多様化していますが、それぞれのライフスタイルにあったHRTの製剤がわが国においても選択できるようになってきたことは喜ばしいことです。特に今回臨床に導入されたメノエイドコンビパッチは有効性、安全性に優れた経皮吸収剤であるとともに、必要量のプロゲスチンが含有されているため簡便であり、コンプライアンスが高い製剤であるため、更年期女性の大きな味方となるものと考えられます。
 もちろん、それぞれの患者におけるベネフィットとリスクを評価し、はっきりとした目的を持ってHRTを施行すること、ガイドラインに従い、乳房・子宮癌検査を含めて、定期検診が必須であることなどこれまで同様に的確な管理が重要なことはいうまでもありませんが、HRTの有用性が再認識されている今、多様な選択肢を持つようになったHRTを上手に利用して、中高年女性のQOLの維持・向上につとめたいものです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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