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<スズケンDIアワー> 平成21年2月19日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(25)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon マクジェン硝子体内注射用キットとアービタック注射液の薬価算定根拠

 次は、マクジェン硝子体内注射用キットです。成分名は、ペガプタニブナトリウムで、ファイザーの開発です。

マクジェンの薬価算定表

 ペガプタニブナトリウムは、VEGF165選択的活性阻害作用を有し、「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症」を効能・効果とします。効能・効果が同一のベルテポルフィンの製剤であるノバルティス ファーマのビスダイン静注用を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。本剤は、臨床上有用な新規の作用機序を有すると認められること、比較薬では直射日光を避ける等の患者行動の制限があるのに対し、本剤では同様の制限がなく治療法の改善が認められることを踏まえて有用性加算(I)が適用されました。ただし、比較薬では3カ月ごとの投与であるのに対し本剤は6週間ごとの投与が必要であること、比較薬での患者行動制限は2〜3日程度であることを考慮し評価は限定的なものとされています。また、本剤は薬事法に基づく希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(I)も適用されました。ただし、比較薬では効果が確認されていないとされる加齢黄斑変性症のサブタイプにも効果が認められることから、患者数が比較薬よりも増えると考えられ、評価は限定的なものとされました。
 次は、アービタックス注射液です。有効成分は、遺伝子組換えのセツキシマブでメルクセローノの開発です。

アービタックスの薬価算定表

 セツキシマブはヒト上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)阻害作用を有し、「EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率19.2%とされました。

icon ゾシン静注用とサイモグロブリン点滴静注用の薬価算定根拠

 次は、ゾシン静注用です。成分は、タゾバクタムナトリウムとピペラシリンナトリウムの配合剤で大鵬薬品工業の開発です。

ゾシンの薬価算定表

 タゾバクタムナトリウムは細胞壁合成阻害作用およびβラクタマーゼ阻害作用を、またペピラシリンナトリウムは細胞壁合成阻害作用を有し、「本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属」などを適応菌種に、「敗血症、肺炎、腎盂・腎炎、複雑性膀胱炎」を適応症とします。本剤はタゾバクタムナトリウムとピペラシリンナトリウムの配合剤であることからこれら2つの有効成分を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。具体的には、タゾバクタムナトリウムとピペラシリンナトリウムの配合剤である大鵬薬品工業のタゾシン静注用とピペラシリンナトリウムの製剤である富山化学工業のペントシリン注射用の薬価を合計して算定されています。本剤は、国内で乳幼児を含む小児を対象とした治験を実施し、小児における用法・用量を設定していることから小児加算が適用されました。ただし、本剤が比較薬とした2剤がいずれも小児にかかわる用法・用量を有していることから、評価は限定的なものとされています。
 次は、サイモグロブリン点滴静注用です。有効成分は、抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンでジェンザイム・ジャパンの開発です。

サイモグロブリンの薬価算定表

 抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンはT細胞抑制作用を有し、「中等症以上の再生不良性貧血、造血幹細胞移植の前治療、造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。営業利益率は、平均的な営業利益率19.2%とされました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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