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<スズケンDIアワー> 平成21年2月26日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(18)HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon 血小板の凝集と減少症の定義

HITとは

 それではなぜ血小板の凝集が起るのか。それは血小板の中にある分子(PF4)が血中に出てきてヘパリンと複合体を形成すると、それに対して、その複合体が血小板自身を活性化いたしますので、前述のように血小板同士の接着や、接着の安定化が起こり、血小板の元来の機能の亢進が起ってしまうわけです。そこで、実際にどういうことが血小板内で起っているか、それをきちんと測定することができるかですが、さきほど申しましたヘパリンと血小板のPF4という接合体の抗体はHIT抗体と呼ばれるものです。この測定も今はELIZA法で可能になってまいりましたが、その陽性率は80%ぐらいと言われており、あとの20%は、元来の抗体が他の因子との接着によって起っているわけです。HIT診断においては他に血小板の減少を起こすあらゆる疾患について除外しておかないといけないのですが、血小板減少をきたすものは非常にたくさんあります。疾患では、再生不良性貧血、多発性骨髄腫などがあります。血小板というのは元来、骨髄の中で作られて放出されるわけですが、血中に入った血小板というのは、だいたい7日くらいの寿命で、壊れてきますので、産生が少なくなっているか、あるいは崩壊が進んでいるのかといった原因も念頭に置いておくとその鑑別診断に役立ちます。

HITの発症様式による分類

 以前にヘパリン投与を実施された人でHIT抗体を持っている人ですと、使用してから3日ぐらいの中にすぐに血小板減少が起ってくる、あるいは、使い出してから2週間後に新しくHIT抗体が作られているなど、その背景の因子によって多少違ってきます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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