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<スズケンDIアワー> 平成21年3月12日放送内容より スズケン

話題の新薬2008-(4)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 この番組では新しく薬価収載された新薬の中から、特に注目される品目について解説しております。

icon 精神神経用薬;ブロナンセリン

 まず、精神神経用薬;ブロナンセリンについてお話します。

ブロナンセリンの構造式

 ブロナンセリンはドパミンD2受容体及びセロトニン5-HT2受容体に対して強い遮断作用を有し、臨床的に抗精神病効果がみられ、通常の抗精神病薬に比べて錐体外路症状の発現が少ない、シクロオクタピリジン骨格を有する新規の化合物です。統合失調症状を改善し、錐体外路症状、眠気、低血圧などの副作用の発現が少ない特徴を有しています。昨年(2008年)4月に薬価収載されました。効能・効果は統合失調症です。通常、1日1回4mg、1日2回食後経口投与より開始して、徐々に増量します。維持量として1日8〜16mgを2回に分けて食後、経口投与いたします。なお症状により適宜増減しますが、1日量は最高24mgまでとされております。なお、禁忌として昏睡状態及びバルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制薬の強い影響下にある患者、アドレナリン投与中の患者等です。臨床検査値異常を含む副作用は76%にみられ、パーキンソン症候、アカシジア、不眠症、プロラクチン上昇、ジスキネジア、眠気等であり、重大な副作用としては悪性症候群、遅発性ジスキネジア等がみられることがあります。

icon 片頭痛治療薬;ナラトリプタン塩酸塩

 次に片頭痛治療薬;ナラトリプタン塩酸塩についてお話いたします。

ナラトリプタン塩酸塩の構造式

 ナラトリプタン塩酸塩は、英国において開発された5HT1B/1D受容体に選択的に作用するトリプタン系の経口片頭痛治療薬で、片頭痛発作時に拡張した血管を収縮させ、さらに三叉神経末端からの神経ペプチドの遊離を抑制します。この薬はアベイラビリティが高く、半減期が長い特徴を有し、1997年英国において承認されました。効能・効果は片頭痛です。通常、頭痛発現時に、1回2.5mgを経口投与します。効果が不十分の際には追加投与しますが、前回の投与から4時間以上経ってから投与するとされています。副作用は13%にみられ、嘔吐、悪心等であります。

icon ウイルソン病治療薬;酢酸亜鉛水和物

 次にウイルソン病治療薬;酢酸亜鉛水和物についてお話します。

酢酸亜鉛水和物の構造式

 この薬は過剰なキレート作用を持ったメタロチオネインの腸管での生成誘導により、銅の吸収を阻害します。最長10年の長期投与試験で有効性、安全性が確認され、1997年米国において承認されました。効能・効果はウイルソン病です。通常、成人では1回50mgを1日3回経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、最大投与量は1日250mgまでとされています。6歳以上の小児では1回25mgを1日3回、また1歳以上、6歳未満の小児では1回25mgを1日2回経口投与します。いずれの場合も、毎食前1時間以上、食後2時間以上空けて投与する必要があります。副作用は92%にみられ、胃の不快感、悪心、リパーゼ、アミラーゼの増加、血清鉄、コレステロールの低下等であります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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