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<スズケンDIアワー> 平成21年3月12日放送内容より スズケン

話題の新薬2008-(4)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon 血液凝固阻止薬;エノキサパリンナトリウム

 次に血液凝固阻止薬;エノキサパリンナトリウムについてお話します。

エノキサパリンナトリウムの構造式

 エノキサパリンナトリウムはフランスで開発された低分子量ヘパリンで、ブタ由来の未分画ヘパリンのベンジルエステルを解重合することによって得られるグルコサミノグリカンです。アンチトロンビン-IIIと複合体を形成し、その第Xa因子および第IIa因子活性を阻害します。1987年、フランスで静脈血栓塞栓症予防薬として承認され、現在多数の国で使用されています。効能・効果は股関節全置換術、膝関節全置換術、股関節骨折手術における患者の静脈血栓塞栓症の発症抑制であります。通常、1回2000IUを、原則として12時間ごとに1日2回連日、皮下注射いたします。検査値異常を含む副作用は57%にみられ、血腫、出血、ALT・γ-GTP上昇などであり、重大な副作用としてはショック、アナフィラキシー様症状等のみられることがあります。

icon 抗悪性腫瘍キナーゼ阻害薬;ソラフェニブトシル酸塩

 次に抗悪性薬;腫瘍キナーゼ阻害薬;ソラフェニブトシル酸塩についてお話します。

ソラフェニブトシル酸塩の構造式

 この薬は、悪性腫瘍の細胞増殖と血管新生を阻害します。根治切除不能あるいは転移性の腎細胞癌に対する世界最初の経口キナーゼ阻害薬であり、2005年、米国において承認されました。効能・効果は根治切除不能または転移性の腎細胞癌です。通常、成人では1回400mgを1日2回経口投与します。なお、警告として緊急時に十分対応出来る施設で、癌化学療法に十分の知識、経験を有する医師のみが行うとされております。副作用は83%にみられ、手足症候群、高血圧等であります。

icon 禁煙補助薬;バレニクリン酒石酸塩

 次に、ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙補助薬;バレニクリン酒石酸塩についてお話します。

バレニクリン酒石酸塩の構造式

 この薬はニコチン性アセチルコリン受容体に対する部分作動薬で、ニコチン依存症形成に寄与しているα4β2ニコチン受容体に対して高い結合親和性を有し、他のニコチン受容体や結合部位に対して結合親和性が低い特徴を持っているニコチンを含まない画期的な禁煙補助薬です。効能・効果はニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙補助です。通常、第1〜3日目は0.5mgを1日1回食後に経口投与、第4〜7日目には0.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与、第8日以降は1mgを1日2回朝夕食後に経口投与いたします。なお、この薬の投与期間は12週間とされております。重要な基本的注意としては、禁煙は種々の症状を呈しますので、禁煙治療プログラムに基づいた指導の下に治療を行う必要があります。副作用は67%にみられ、嘔気、異常な夢、頭痛、鼓腸等であります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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