国立精神・神経センター神経内科 部長
村田 美穂
ゾニサミドはわが国で開発され、すでに20年近く使用されている抗てんかん薬です。私は偶然、このゾニサミドがパーキンソン病に高い効果を持つことを見出し、臨床研究及び基礎研究を進め、先ごろ抗パーキンソン病薬として認可されましたので、本日はパーキンソン病治療薬としてのゾニサミドについてご紹介したいと思います。
ゾニサミド臨床研究のきっかけ
2000年のある日、パーキンソン病の患者さんがてんかん発作をおこされました。
その治療のためにゾニサミド300mgを処方したところ、てんかん発作も消失しましたが、同時にパーキンソン症状が著明に改善しました。それまで、立ち上がり、歩行などに介助が必要であったのが、トイレもお風呂もゆっくりながらすべて一人でできるようになったのです。
あまりにも見事な改善でしたので、文献を探してみると、ゾニサミドがドパミンを増やすという報告がありました。早速、ラットにゾニサミドを投与してみると、確かに線条体でドパミンが増加していました。パーキンソン病治療のなかでL-dopaは最も優れた薬ですが、半減期が短いために、進行期になると効果持続時間が短くなってしまうwearing-off現象が大きな問題になります。ゾニサミドは脳内への移行がよく、半減期の長い薬剤で、しかもドパミンを増加させるとはすばらしい薬ではないかと思い、臨床研究を始めました。L-dopaの効果は高いがwearing-off現象がはっきりしている患者さんが最もこの薬の効果を見やすいと考え、そのような患者さんにお願いして小規模の臨床試験をしました。

平均罹患期間約10年の進行期の患者さんでこれまでの処方にゾニサミド50-200mgを1日1回加え、12週間後に評価したところ、想像以上の高い効果を得られました。運動症状や日常生活動作がオン時オフ時とも改善し、オフ時間は平均5.9時間から1.2時間に短縮したのです。
|