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<スズケンDIアワー> 平成21年3月19日放送内容より スズケン

パーキンソン病治療薬 ゾニサミド


国立精神・神経センター神経内科 部長
村田 美穂

icon ゾニサミドの治験成績

 この結果をもとに、製造元会社に依頼し、パーキンソン病を対象としたゾニサミドの治験が始まりました。

ランダム化二重盲検試験(II)

 最初は探索的として小規模に、ゾニサミド50mg, 100mg, 200mgとプラセボの4群比較試験を行いました。臨床試験と同様にゾニサミドを加える形での二重盲検試験で50mg群で有意な改善を認め、100mgでも改善の傾向を認めましたが、200mgでは眠気、幻覚などの副作用がやや多くなりました。

ランダム化二重盲検試験(IIb/III)

 この結果を受け、より大規模に50mgの有用性を明らかにするために、IIb/IIIという位置づけで25mg, 50mg, 100mgとプラセボの4群比較試験を行いました。探索試験では、効果も高かったのですがプラセボ効果も高かったので、プラセボ効果をできるだけ少なくするために、二重盲検試験である上に単盲検のフェーズを加えるという厳しい型式を採用しました。
 平均年齢65歳、平均罹患期間8.6年、on時の平均Yhar 重症度が2.5, オフ時は3.2の約350人が対象でした。この結果、運動症状の指標である、UPDRS IIIは25mg, 50mg群で有意に改善し、一方、オフ時間は50mg, 100mg群で1.5時間前後の有意な短縮を認めました。安全性は非常に高く、副作用の発現率は25mg, 50mg群ではプラセボ群と有意差はなく、眠気などがやや多い程度でした。しかも不随意運動はゾニサミドにより悪化よりも改善した人の方が多いという結果でした。

ランダム化二重盲検試験(III)

 すでに効果は確認できたかと思われましたが、認可のためにはもう1度二重盲検試験が必要とのことで、2007年に実質8ヶ月間で第III相として、各群60人ほどで25mg, 50mg, プラセボの3群比較試験を行いました。対象はIIb/IIIとほぼ同じで、よく似た結果となりましたが、50mg群でやや脱落例が多かったこともあり、UPDRS IIIは25mg群で有意な改善を認めましたが、50mg群ではp値が0.07と有意差がつきませんでした。UPDRS IIIのスコアが30%以上改善した反応例の割合は50mg群では46%と最も多く、12週間の完了例では25mg群、50mg群とも有意に改善していました。しかし今回、抗パーキンソン病薬としては25mgのみが認可ということになりました。

長期効果

 1年間の長期試験ではゾニサミドの効果は持続し、しかも、28週後より56週後によりよくなる傾向を認めました。

副作用の内容

 私が最初に使いましてから、約9年が経過していますが、最初の頃の方も重大な副作用も無く、比較的良い経過で過ごされています。
 臨床効果をまとめますと、進行期パーキンソン病患者において、ゾニサミドを1日1回ADD ONすることで副作用が非常に少なく、運動症状やADLを改善し、その効果は長期にわたって持続しました。進行期の患者さんではドパミン過剰刺激による不随意運動が出現しやすく、オフ時の症状を改善しようとすると不随意運動が悪化するために治療に難渋することが多いのですが、ゾニサミドは不随意運動の悪化をあまり気にせずにオフの改善を期待できることが大きな特徴といえます。
 また、治験とは別に臨床研究のなかでゾニサミドはL-dopaなどの治療に抵抗性の振戦に効果が高いことがわかってきました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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