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<スズケンDIアワー> 平成21年5月14日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(19)消化性潰瘍


帝京大学 名誉教授
清水 直容

 本日は、医薬品を使用している際に消化性潰瘍(peptic ulcer)が起こった場合にどのように考えたら良いかというお話をさせていただきます。

icon NSAIDによる潰瘍

 NSAIDという非ステロイド性の消炎鎮痛薬、よく知られているのはアスピリン(ASPIRIN)ですが、これによって夏目漱石が胃潰瘍の大出血で亡くなられたという記述があります。その当時と現在のアスピリンの1日用量は100倍ほども違います。日本ではまだその承認はございませんが、外国ではアスピリンの100mg、1日おき投与が心筋梗塞の予防になるという研究があります。アスピリンの歴史は非常に古く、紀元前400年前頃に、シモツケソウから抽出したサルチル酸を飲んでいたということが、ある本に書いてございました。アスピリンというのは、そのサルチル酸を飲んでいた人物の息子が、父親がいろいろ消化性の異常を訴えていたということで、その頭にアセチル基をつけたのがアスピリンの始まりということです。

消化管の名称

 そのほかにも医薬品で有害事象として消化性潰瘍と書かれているものは非常に多くあります。胃粘膜潰瘍を含む消化性潰瘍というのは消化管にできる潰瘍で消化管系の口腔から大腸まで消化管全部で発症する可能性がありますが、やはり胃と十二指腸に多いわけです。そのほかに最近では大腸にも潰瘍ができることがあります。医薬品を飲んでいるときに消化性の潰瘍ができた場合の鑑別診断としては、医薬品以外の疾患によるということも鑑別あるいは除外する必要があろうかと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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