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<スズケンDIアワー> 平成21年5月21日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(26)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ウェールナラ配合錠とピレスパ錠の薬価算定根拠

ウェールナラ配合錠の薬価算定根拠

ピレスパ錠の薬価算定根拠

 次は、ウェールナラ配合錠です。成分は、エストラジオールとレボノルゲストレルの配合剤で、バイエル薬品の開発です。エストラジオールは卵胞ホルモン補充作用を、またレボノルゲストレルは黄体ホルモン補充作用を有し、「閉経後骨粗鬆症」を効能・効果とします。本剤は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合剤であることから、エストラジオールとメドロキシプロゲステロン酢酸エステルを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。具体的には、エストラジオールの製剤であるバイエル薬品のジュリナ錠とメドロキシプロゲステロン酢酸エステルの製剤であるファイザーのプロベラの1日薬価を合計して算定されています。
 次は、ピレスパ錠です。有効成分は、ピルフェニドンで、塩野義製薬の開発です。ピルフェニドンはサイトカイン産生調節作用を有し、「特発性肺線維症」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。本剤の営業利益率の算出にあたっては、本剤は、予後不良で難治性の特発性肺線維症に対して初めて有効性を示したことから相当程度の革新性が認められること、また、日本人における臨床成績が得られている点が評価されました。ただし、その有効性の程度は限られたものであることを考慮し、平均的な営業利益率プラス30%の営業利益率、すなわち25.0%を用いることとされました。

icon サレドカプセルの薬価算定根拠

サレドカプセルの薬価算定根拠

 次は、サレドカプセルです。成分名は、サリドマイドで、藤本製薬の開発です。サリドマイドは、骨髄腫細胞増殖抑制作用を有し、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果とします。効能・効果が同一のボルテゾミブの製剤であるヤンセンファーマのベルケイド注射用を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。本剤は、重篤な副作用のため治療継続が困難になる患者が少なくないボルテゾミブに比し、長期投与が可能であること、また、本剤は投与初期より外来投薬が可能であることから、治療方法の改善が客観的に示されていると認められることを踏まえ、有用性加算(II)が適用されました。ただし、本剤も、深部静脈血栓症や骨髄抑制等の副作用に注意が必要とされていること、また、ボルテゾミブにおいて入院が必要であるのは初期治療のみであることを考慮し、評価は限定的なものとされました。また、本剤は薬事法に基づく希少疾病用医薬品の指定を受けていることから、市場性加算(I)も適用されました。なお、ボルテゾミブも希少疾病用医薬品の指定を受けていることなどから本来ならば限定的な評価とされるところですが、患者数が非常に少なく開発を引き受ける企業がない中で、患者の要望にこたえる形で開発に着手した点を踏まえ加算率の引き上げが行われました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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