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<スズケンDIアワー> 平成21年6月11日放送内容より スズケン

話題の新薬2009−(1)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 この番組では、新しく薬価収載された新薬の中から、特に注目される品目について解説しております。今回は、2009年度第1回の新薬情報であります。

icon 高血圧症治療薬;イルベサルタン

イルベサルタンの構造式

 イルベサルタンは、フランスで開発されたアンジオテンシンII受容体拮抗薬で、アンジオテンシンII受容体のうちタイプ1の受容体を選択的に遮断する経口高血圧症治療薬であります。1997年8月以降、ヨーロッパ各国、米国で承認され、我が国では昨年(2008年)6月、薬価収載されました。
 効能・効果は、高血圧症で、通常、成人では50ないし100mgを1日1回、経口投与します。なお、年齢、症状によって適宜増減いたしますが、最大投与量は200mgまでとされております。
 併用注意薬は、カリウム保持性の利尿薬、カリウム補給薬などです。
 臨床検査値異常を含む副作用は13%に見られ、めまい、せき、頭痛、CPK上昇などであり、重大な副作用としては、血管浮腫、高カリウム血症、ショック、腎不全などの見られることがあります。

icon 関節リウマチ治療薬;トシリズマブ(遺伝子組換え)

トシリズマブの構造式

 この薬は、我が国で開発されたIgG1サブクラスのヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体であり、IL-6の生物学的作用を阻害することにより、関節リウマチなどのIL-6が関与すると思われる疾患に対しての有効性が期待されております。
 効能・効果は、既存の治療で効果が不十分の関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性の関節炎、同じく全身型の若年性特発性関節炎及びキャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見です。
 通常、1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注いたしますが、キャッスルマン病に対しては、1回8mg/kgを2週間隔で点滴静注いたします。なお、感染症、結核の既往のある方、腸管憩室症の患者さんについては、慎重に投与する必要があります。
 副作用は96%に見られ、鼻咽頭炎、コレステロール、LDL、トリグリセライドの増加など、重大な副作用としては、アナフィラキシーショック、感染症、腸管穿孔などが見られることがあります。

icon 輸血による慢性鉄過剰症の治療薬;デフェラシロクス

デフェラシロクスの構造式

 骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、βサラセミア、鎌状赤血球性貧血などに対する継続的な赤血球輸血によって鉄の蓄積が進行いたしますと、細胞内の過剰鉄によって肝障害、心障害、糖尿病、皮膚色素沈着などの起こることが知られております。
 この薬は1日1回の経口投与で、効果的に鉄を排除する鉄キレート剤で、効能・効果は、輸血による慢性の鉄過剰症です。
 通常、20mg/kgを1日1回、水100mL以上で用事懸濁し、空腹時に経口投与します。患者の状態により適宜増減しますが、1日量は30mg/kgを超えないとされています。 なお、腎機能・肝機能障害の方には、慎重に投与する必要があります。
 副作用は15%に見られ、下痢、悪心、嘔吐、クレアチニンの上昇などであり、重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、急性腎不全、肝炎などの見られることがあります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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