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<スズケンDIアワー> 平成21年6月25日放送内容より スズケン

1日1回投与型徐放性マクロライド系抗生物質アジスロマイシン水和物


東北大学加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門 教授
渡辺 彰

icon アジスロマイシン徐放型製剤の特徴

 さて、こうしたことの反省から、現代では安全性を確保しながら抗菌薬療法の有効率を高めて耐性菌を抑えるための種々の方策が取られるようになってきました。先ほどお話しして問題のあることが分かった低用量・長期間投与ではなく高用量・短期間投与がそうですし、今日は時間の関係上お話しできませんが、抗菌薬の血中動態と臨床効果の関係を解明したPK/PD理論に基づいた治療法、初回投与量の増量によって早期に有効血中濃度へ到達させるfront-loadingによる治療法、そして少数回、さらには単回投与製剤の実用化、などが代表的な方策です。これらの中で、服用する患者側から見て服薬コンプライアンスの向上に役に立つのは、投与回数と投与日数を可能な限り少なくすることですが、その究極は初回の一回だけ投与して目的を達成する治療法です。1回投与で完結すれば服薬コンプライアンスは100%だからです。
 今回実用化されたアジスロマイシンSRはこの目的を達成し得る薬剤です。アジスロマイシンをマイクロスフェア化すると共に胃の中での吸収を極力抑え、小腸以下でゆっくり、しかし確実に全量を吸収させるようにした製剤です。したがって、消化液が出て酸性に傾く食後ではなく、服用の前後2時間は食事を避けて空腹状態にすることが肝要ですが、我が国の臨床治験では肺炎球菌やインフルエンザ菌による呼吸器科並びに耳鼻咽喉科領域の感染症に90%、あるいはそれ以上の高い有効率を得られることと、主な副作用は下痢・軟便であるが軽度であって2〜3日後には軽減、消失すること、など高い安全性のあることが確認されました。
 アジスロマイシンSRは広い意味ではマクロライド系抗菌薬ですが、従来のマクロライド系の枠を越えた有意義な薬剤であると考えられます。先生方におかれましても、1回投与のみで治療目的を達成して耐性菌を抑え、かつ安全に使用できるこの製剤の使用を熟知していただければ幸いです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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