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<スズケンDIアワー> 平成21年8月6日放送内容より スズケン

細胞培養日本脳炎ワクチン


国立成育医療センター 総長
加藤 達夫

icon 臨床試験成績

 臨床試験成績について、阪大微研会の資料をもとに第3相臨床試験の成績を紹介します。

臨床試験成績(安全性)

 第III相臨床試験は生後6ヶ月以上90ヶ月未満の健康小児を対象に多施設二重盲検試験により実施され、解析対象は123名でした。なお、ワクチン接種は定期接種第1期に準じて計3回実施されました。

臨床試験成績(安全性)、主な副反応時期別発現件数

 まず、安全性についてですが、主な副反応は、注射局所の紅斑と腫脹および発熱であり、脳炎脳症などの重篤例はありませんでした。主な副反応の発生頻度は計3回の接種において注射局所の紅斑が1.6〜6.6%、局所の腫脹は0.8〜2.4%、そして発熱は4.9〜10.7%でした。局所反応の程度はすべて軽度でした。発熱は1回目接種後と2回目接種後では約10%、3回目接種後では約5%でした。副反応の発現時期はほとんどが接種当日から3日以内でした。

臨床試験成績(有効性)

 次に有効性についてですが、中和抗体法を用いて抗体価20倍以上を陽性とし、2回目および3回目接種後の抗体陽転率と獲得抗体価を評価しました。1回目接種前抗体陰性者122名について、2回接種後の抗体陽転率は121/122 (99.2%)抗体陽転者の幾何平均抗体価は log10の指数で2.420(標準偏差0.504)でした。同様に3回目接種後では122/122(100%)、3.766(標準偏差0.332)でした。なお、陽転率は3回目接種直前には100%に達していました。以上、細胞培養日本脳炎ワクチンの臨床試験成績の概略を紹介しましたが、このように新型ワクチンの有効性、安全性はともに従来ワクチンと比較しても遜色のないものです。製造上、従来のワクチンのように動物の直接材料を用いないことから安全性は更に向上しているものと思います。現在、科研費研究班で追加免疫に関する検証が準備中ですが、良好な結果が得られるものと推測しています。
 なお、この新型ワクチンは、製造工程のごく初期段階においてウイルスの調整時に米国産のウシ血清等を使用していますが、製造工程中の各種スクリーニングやこれら成分は最終製品の段階では109以上に希釈されていることなどから、臨床使用においてはまず問題はないレベルであると思います。

icon 使用上の留意点

 最後になりますが、2009年6月2日付の予防接種実施規則の一部改正について触れておきます。

日本脳炎予防接種の法的位置付け

 定期予防接種における「積極的勧奨の差し控え」は当面の間継続されます。新型ワクチンは第1期のみの使用となります。従来のマウス脳ワクチンを用いる場合は保護者からADEMに関する同意書を得た上で実施いたすことに変わりありません。主なポイントは以上ですが、当面は新旧のワクチンを併用する形となりますので、予防接種の実施については所轄の自治体と十分に連携を図ってください。
 円滑な予防接種の実施のためにも、一日も早い新型ワクチンへの全面切り替えを望みたいと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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