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<スズケンDIアワー> 平成21年8月20日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(27)日本大学薬学部薬事管理学


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

icon ルセンティス硝子体内注射液とゾレア皮下注用の薬価算定根拠

ルセンティスの薬価算定表

ゾレアの薬価算定表

 次は、ルセンティス硝子体内注射液です。有効成分は、遺伝子組換えのラニビズマブで、ノバルティス ファーマの開発です。ラニビズマブは、VEGF阻害作用を有し、「中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症」を効能・効果とします。効能・効果、薬理作用等がほぼ同一のペガプタニブナトリウムの製剤であるファイザーのマクジェン硝子体内注射用キットを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定が行われました。本剤は、維持期における投与回数が年4回程度で、比較薬に比して約半分の回数で済む点において、「治療方法の改善」が認められ、有用性加算(II)が適用されました。ただし、国内での治験の症例数が少ないこと考慮し、評価は限定的なものとされました。
 次は、ゾレア皮下注用です。有効成分は、遺伝子組換えのオマリズマブで、ノバルティス ファーマの開発です。オマリズマブは抗IgE作用を有し、「既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者の気管支喘息」を効能・効果とします。同様の効能・効果等を持つ類似薬がないことから、原価計算方式により算定が行われました。本剤の営業利益率の算出にあたっては、本剤は既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に対して、一定の有効性が認められており、当該患者にとって新たな治療手段になり得ると考えられるが、本剤の喘息増悪抑制効果について製造販売後調査の中で更に検討することとされていることを考慮し、平均的な営業利益率プラス10%の営業利益率、すなわち21.1%を用いることとされました。

icon アドエア50エアー120吸入用の薬価算定根拠

アドエアの薬価算定表

 次は、アドエア50エアー120吸入用です。有効成分は、サルメテロールキシナホ酸塩とフルチカゾンプロピオン酸エステルの配合剤で、グラクソ・スミスクラインの開発です。これら2つの成分を同一割合で、かつ、同一量配合した吸入剤として、既に同じグラクソ・スミスクラインのアドエア100ディスカスが薬価基準に収載されていますが、今般、小児における用法・用量が追加されたことに伴い、小児が吸入しやすいエアゾール剤が開発されたものです。したがって、アドエア100ディスカスを比較対照薬とした規格間調整による算定が行われました。91例の国内小児臨床試験を実施していることから、小児加算の適用が認められると判断されましたが、配合成分それぞれの単剤の併用との臨床的同等性及び長期投与の安全性を確認するだけの試験であったことから、限定的な評価とされました。

以上の11成分15品目は2009年2月25日の中医協総会で審議され、3月13日に薬価基準に収載されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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