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<スズケンDIアワー> 平成21年9月17日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報―最近の話題(17)〜リン酸オタルセミビルについて


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 安全対策調査会での検討内容

医薬品・医療機器等安全情報No.259

 平成21年度の安全対策調査会が平成21年6月16日に開催されました。そこで、今回は、その調査会における「リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)について」の検討結果等の概要について紹介します。

タミフルの安全対策の経緯・・・

 安全対策調査会では、リン酸オセルタミビル(タミフル)の服用と異常な行動及び突然死との関係について検討を行うため、平成19年4月、6月、11月、12月に会議を開催しています。平成19年6月にはタミフルの安全性について希望団体等からの意見陳述の聴取を行っています。また、平成19年6月、11月、及び12月にはリン酸オセルタミビルの基礎WG、及び臨床WGから調査検討の状況について報告を受け、検討を進めてきました。
 リン酸オセルタミビル(タミフル)は、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の適応をもつ経口薬剤です。カプセル剤については、その予防を含みます。
 タミフルによる「精神・神経症状」については、因果関係は明確ではないものの、医薬関係者に注意喚起を図る観点から、平成16年5月、添付文書の「重大な副作用」欄に「精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、観察を十分に行い、症状に応じて適切な処置を行うこと。」と追記されました。
 安全対策調査会では、基礎WG及び臨床WGにおける調査検討の結果について、それぞれ報告を受け、タミフルの服用と異常な行動及び突然死との関係について検討が行われました。基礎WG及び臨床WGの検討結果の詳細もホームページから入手することができます。

icon 疫学調査から

安全対先調査会は・・・

 安全対策調査会は、基礎WG及び臨床WGから動物実験等の非臨床試験、臨床試験、疫学調査等の調査検討の結果について報告を受け、タミフルがインフルエンザに伴う異常行動のリスクを高めるかどうかについては、「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」(研究代表者:大阪市立大学廣田良夫先生)の廣田班から報告された疫学調査の解析において、重篤な異常行動(事故につながる可能性がある異常行動等を含む)を起こした10代の患者に限定して解析すると、タミフル服用者と非服用者の間に統計的な有意差はなかったと報告しています。なお、解析方法の妥当性に関しては、疫学及び統計学それぞれの専門家から異なる意見がみられ、データの収集、分析に関わる様々な調査の限界を踏まえると廣田班での疫学調査の解析結果のみで、タミフルと異常な行動の因果関係に明確な結論を出すことは困難であると判断しています。

2つの疫学調査・・・

 疫学調査は、「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究」(研究代表者:国立感染症研究所岡部信彦先生)の岡部班での疫学調査および廣田班での疫学調査と二つの調査が行われました。二つの調査の解析により、タミフル服用の有無にかかわらず、異常行動はインフルエンザ自体に伴い発現する場合があることが、より明確となりました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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