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<スズケンDIアワー> 平成21年9月17日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全性情報―最近の話題(17)〜リン酸オタルセミビルについて


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 異常行動と予防的安全対策

 平成19年3月以降の予防的な安全対策により、この対策以後は、タミフルの副作用報告においても10代の転落・飛び降りによる死亡等の重篤な事例は報告されていません。このようなことからも、安全対策については一定の効果が認められる一方で、これまでに得られた調査結果において10代の予防的な安全対策を変更する積極的な根拠が得られているという認識ではないため、現在の安全対策を継続することが適当と判断しています。
 タミフルについて行われている措置は、現在も妥当であるとして、引き続き医療関係者、患者・家族等に対し注意喚起を図ることが適当であるとしています。それと同時に、他の抗インフルエンザ薬についても、同様に異常行動等に関する注意喚起を継続することが適当であるとしています。

緊急安全性情報

 このようなことから、現在とられている措置については、平成19年3月の緊急安全性情報では、10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されています。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えることとしています。また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、異常行動の発現のおそれがあること、自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこととしています。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので同様の説明を行うこととしています。

icon タミフルの服用と突然死の因果関係

タミフルの服用と突然死の・・・

 タミフルの服用と突然死との因果関係については、動物実験等の非臨床試験、いわゆる夜間心電図試験の臨床試験等の結果からみて、それを肯定する根拠は示されていないと考えられました。
 動物実験等の非臨床試験の概要として、バインディング・アッセイの結果については、臨床用量投与時に推定されるタミフルの未変化体及び活性代謝物の脳中濃度では、トランスポーターの欠損や代謝阻害があったとしても、多くの中枢性の受容体やイオンチャネル系への影響を及ぼす可能性は低いとされています。マウスのジャンピング行動の誘発に関する報告については、本剤による直接作用でないこと、これらの現象とタミフルの未変化体の作用機序との関連性が不明確であること、また、投与量が高いことから、ヒトでの精神神経症状・異常行動との関連性について一定の判断を行う知見とするには不十分であり、引き続き関連研究を注目していくべきであるとしています。マウスへの腹腔内投与による体温低下の報告については、他の作用との関連は不明であるが、体温に関わる脳幹等への薬理作用が示唆され、引き続き関連研究を注目すべきであるとしています。ただし、ウサギプルキンエ線維活動電位試験結果の再解析等からは、オセルタミビルが突然死に結びつくような循環器系への影響を有することを示唆する結果は得られなかったとしています。
 臨床試験の概要としては、いわゆる夜間心電図試験において、タミフルの投与により心電図上問題となる影響は認められなかったと報告しています。

薬事・食品衛生審議会・・・

 厚生労働省は、引き続き、タミフルの服用と異常な行動等との因果関係についての情報収集に努め、必要な対応を行なうべきであるとしています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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