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<スズケンDIアワー> 平成21年10月1日放送内容より スズケン

高用量1日1回投与抗菌薬レボフロキサシン水和物


東邦大学微生物・感染症学 准教授
舘田 一博

icon はじめに

 本日は、ことし(2009年)7月に新しく発売されましたレボフロキサシン水和物500mg製剤についてご紹介したいと思います。
 レボフロキサシン水和物はニューキノロン系抗菌薬で、1993年の発売以来、呼吸器感染症を初め各科領域感染症に対して広く使用されています。国内のニューキノロン系薬の中では、約70%と最も汎用されている抗菌薬です。海外においても、120カ国以上で承認され、高く評価されています。
 日本において今まで主として1回100mg、1日3回で投与されてきました。一方、日本以外の国々では、500mg1日1回投与が標準的な用法・用量になっています。
 本日は、本邦において新たにレボフロキサシン水和物500mg1日1回投与が承認された背景や意義、そして臨床開発試験の成績についてご紹介したいと思います。

icon 抗菌薬の感受性サーベイランス

 抗菌薬の広範な使用に伴い、世界的にも耐性菌が出現し、問題となっています。また、新規抗菌薬の開発も容易ではない中で、現在の有用な抗菌薬を将来にわたって有効に使用していくことが求められています。抗菌薬を使用する立場として耐性菌の出現を抑制することを念頭に、抗菌薬を適切に選択し適切に投与する。いわゆる抗菌薬の適正使用を推進していくことが重要です。このような抗菌薬の適正使用を推進する上で、また、これを評価する上で重要となるのが感受性サーベイランスです。
 サーベイランスにおいて抗菌薬に対する臨床分離学の感受性を経年的に調査し、その耐性状況を把握することで、耐性化を防止するための方策を検討することが可能となります。また、その研究結果を国内外の臨床医及び研究者に速やかに報告し、耐性菌の出現抑制を意識した抗菌薬の適正使用に役立てることができます。

各種抗菌薬における肺炎球菌の感受性分布

 我々は、1992年以来、経年的に臨床分離学の抗菌薬感受性調査を実施してきました。呼吸器感染症の主要な原因菌である肺炎球菌のレボフロキサシン水和物に対する感受性は、2007年、分離株で98.8%が完成と、発売15年を経過した現在でも非常に良好な感受性を維持していることが明らかになっています。
 本剤のMIC90の値は1µg/mLであり、ほとんどの肺炎球菌に強い抗菌力を示すことも確認されています。しかし、以下にお話ししますように、楽観視できない状況が水面下で進んでいることも明らかになってきました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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