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<スズケンDIアワー> 平成21年10月1日放送内容より スズケン

高用量1日1回投与抗菌薬レボフロキサシン水和物


東邦大学微生物・感染症学 准教授
舘田 一博

icon 用法・容量変更によるポピュレーション解析

ヒト血中濃度シミュレーションとポピュレーション解析

 in vitro血中濃度シミュレーションモデルを用いてレボフロキサシン500mg1日1回投与及び100mg1日3回投与時の人における血中濃度を再現し、呼吸器感染症の主要原因菌である肺炎球菌に対する殺菌効果と抗菌薬作用後の耐性菌出現の有無を検討しました。
 レボフロキサシン100mg1日3回投与では、初期の殺菌効果は認められましたが、その後、再増殖が確認されました。一方、500mg1日1回投与では、薬剤作用直後から強い殺菌効果が確認され、再増殖は認められませんでした。

ポピュレーション分析

 薬剤作用24時間後のレボフロキサシンに対する菌のポピュレーション解析を行ったところ、100mg1日3回投与では感受性が低下した菌の存在が確認されましたが、500mg1日1回投与では、そのようなポピュレーションは認められませんでした。すなわちin vitroヒト血中濃度シミュレーションモデルを用いた検討において500mg1日1回投与は、100mg1日3回投与に比べて治療効果の向上と耐性菌の出現抑制が期待できる用法・用量であることが明らかになりました。
 今回のレボフロキサシン水和物500mg1日1回投与は、国内及び中国で第三相臨床試験が実施され、その成績をもとに承認されました。健康成人の薬物動態において、日本人と中国人では差がないことが確認されており、また、中国では既に、レボフロキサシン500mg1日1回の用法・用量が承認されております。
 以下に、今回実施された第三相臨床試験成績の中で、国内における呼吸器感染症領域の結果について概要をご紹介いたします。

icon 第III相臨床試験結果から

 呼吸器感染症被験者144例に対してレボフロキサシン500mgが1日1回、7日間経口投与されました。具体的な対象疾患は、市中肺炎102例、慢性呼吸器病変の二次感染28例、急性気管支炎14例でした。臨床効果における有効率では全体で95.1%、疾患別に見ると市中肺炎では93.1%、慢性呼吸器病変の二次感染及び急性気管支炎では、いずれも100%でした。

呼吸器感染症臨床成績

 抗菌薬の有効性を評価する上で、臨床効果とともに細菌学的効果の指標として原因菌の消失率が重要となります。レボフロキサシン500mg1日1回投与の菌消失率の結果は、原因と考えられた50株すべてが消失する。すなわち100%の菌消失率が観察されました。この中にはペニシリン耐性肺炎球菌を含む肺炎球菌19株、β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性、いわゆるブルナールを含むインフルエンザ菌29株などが、すべての原因菌が消失するという成績が得られました。これらの結果から、レボフロキサシン水和物500mg1日1回は、すぐれた臨床効果を発揮する投与量・投与法であることが確認されたことになります。
 続いて、安全性について簡単にご紹介いたします。
 国内及び中国において実施された第三相臨床試験において、総症例1582例中460例に副作用が報告され、その発現率は29.1%でした。主な副作用は、めまい3.7%、悪心3.5%、白血球数減少3.3%、ALT上昇1.8%でした。今回の臨床試験において、レボフロキサシン水和物500mg1日1回投与による未知の副作用は認められず、いずれも従来の100mg3回投与で報告された副作用のみでした。

 以上より、レボフロキサシン水和物500mg1日1回投与は世界の標準的な用法・用量であるとともに、抗菌薬の適正使用の観点から、PK/PD理論に基づき、治療効果の向上と耐性菌の出現抑制が期待できる投与方法と考えられます。今後さらに臨床経験を積み重ねながら、レボフロキサシン水和物500mg1日1回投与の有効性と安全性を評価していく必要があると考えられます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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