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<スズケンDIアワー> 平成21年10月8日放送内容より スズケン

経口カルバペネム系抗菌薬テビペネムピボキシル


北里大学北里生命科学研究所 教授
砂川 慶介

icon 小児科臨床試験での副作用

小児科臨床試験での副作用

 安全性については、440例について解析を実施し、自他覚症状に関する有害事象発現率は46.6%、副作用発現率は23.0%でした。主な有害事象は下痢・軟便で、副作用発現率は19.5%、中でも3歳未満での発現率が高い傾向が認められました。今回の試験では、重度の事象は認められず、投与中止に至った症例は下痢・軟便の副作用は1例のみでありました。下痢・軟便は乳児では抗菌薬投与時に一般的に認められる事象であり、今回の試験では大部分が軽度であることから、大きな問題とはならないと考えました。また、注射用カルバペネム系抗菌薬に知られている痙攣誘発については、今回の健康成人を含む成人741例および小児440例では認められず、痙攣誘発のリスクは低いと考えられました。
 腎障害および肝機能に関する臨床検査値の変動が認められましたが、小児においてはその発現率は低く、重篤な有害事象を発現するリスクは低いと考えられました。
 本剤は側鎖にピボキシル基を有するため、血清中カルニチン濃度に及ぼす影響についても検討しましたが、ピボキシル基を有する他の薬剤と同様、血清中遊離カルニチン濃度を低下させるものの、血清中遊離カルニチン濃度低下に伴う有害事象は認められず、投与終了7日後には投与開始前とほぼ同程度の値まで回復することが確認されており、短期間の服用では安全性に問題はないと考えられました。
 服用性について服用性解析対象330例のうち、「非常に飲みやすい」と「飲みやすい」が92.7%を占め、小児患者での服薬コンプライアンスを高く保つことが可能であることを示しておりました。

icon 使用を考える症例

 以上の結果をまとめると、本剤は耐性の肺炎球菌およびインフルエンザ菌が原因菌として多くを占める、小児の中耳炎、副鼻腔炎、肺炎に対して高い有効性を示し、入院の必要性も考慮される反復例、前治療無効例や重症例にも優れた効果が確認されました。

テビペネムピポキシルの使用を考える症例

 本剤は、初の経口カルバペネム系抗菌薬であるため、既存の注射用カルバペネム系抗菌薬の臨床的位置づけを踏まえ、耐性菌出現防止の観点から安易な処方は避けるべきと考えております。本剤は耐性肺炎球菌やインフルエンザ菌のリスクの高い症例、即ち二歳以下の小児、保育園通園児、抗菌薬が繰り返し投与された児、反復性の中耳炎、副鼻腔炎、肺炎の症例、免疫機能低下の症例など、対象症例を慎重に検討し、標準治療抗菌薬では効果が期待できない症例に限定して使用すべきであり、使用後に耐性菌が否定された場合には直ちに有効と考えられる薬剤に変更するなどの配慮も必要であります。また、十分な量を短期間使用するなどの適性使用に配慮して、本薬剤が末永く臨床の現場で活躍されることを願っている次第であります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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