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<スズケンDIアワー> 平成21年10月15日放送内容より スズケン

前立腺肥大症治療薬 デュタステリド


札幌医科大学泌尿器科 教授
塚本 泰司

icon デュタステリドの臨床試験成績から

 実際に、ジヒドロテストステロンの低下がどの程度前立腺容積の縮小に結びつくかを、わが国における臨床試験での結果で見てみます。

デュタステリドの臨床効果(1)

 デュタステリド1日0.5mgを3か月間服用するとジヒドロテストステロンの血中濃度が90%低下します。この用量のデュタステリドを6か月間服用すると前立腺は25%縮小します。12か月の服用では33%の縮小が得られます。すなわち、前立腺容積40mLの患者さんが12か月間デュタステリドを服用すると前立腺は26.8mLに縮小するということになります。

デュタステリドの臨床効果(2)

 次に、365例の患者さんを対象としたわが国の臨床試験での、デュタステリドの臨床効果をみてみましょう。症状を国際前立腺症状スコアでみると、12か月間の投与でスコアが平均5.4低下しました。これはプラセボ群と比較して明らかに有意な低下でした。また、最大尿流率も12か月の服用で平均2.2mL/sec増加し、プラセボの0.7mL/secの増加と比較すると増加が明らかでした。海外でも4,000例を超える症例で同様の臨床効果が確認されています。
 一方、有害事象などの安全性に関しては、国内外の臨床試験の結果から特別な問題はないと報告されています。これまでのステロイド性抗アンドロゲン薬で高率に見られた勃起障害は、デュタステリドでは2%でした。したがって、テストステロンを低下させるような従来のステロイド性抗アンドロゲン薬と比較すると勃起障害の頻度は明らかに低いといえます。
 また、血中前立腺特異抗原(PSA)への影響も気になるところです。この種の薬剤は結果的にテストステロンの作用をブロックするため、血中のPSAを低下させることが知られています。今回のわが国の検討でも、デュタステリドの6か月間の服用で投与前の値の50%に低下することがわかりました。したがって、これまで言われているように服用6か月を経過しても投与前の値の半分以下にならないような場合、あるいは途中から上昇してくる場合には、前立腺がんの存在を考慮する必要があるということになります。もちろん、デュタステリドを投与する前にはPSAを測定し前立腺がんの疑いがないことを確認しておくことは言うまでもありません。

 

提供 : 株式会社スズケン



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