→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成21年10月22日放送内容より スズケン

緑内障・高眼圧症治療剤ビマトプロスト


京都府立医科大学眼科 講師
森 和彦

 本日は、新しい緑内障治療薬ビマトプロストについてご紹介します。本題に入る前に緑内障とその治療について簡単に触れておきたいと思います。

icon 緑内障とその治療

 緑内障は、眼球の後方にある視神経が障害されて視野が欠けてくる疾患で、放置すれば失明にいたることがあります。このため緑内障患者の視機能を維持するためには、早期発見と適切な治療が望まれます。
 緑内障の治療法として、エビデンスに基づいた唯一確実な方法は、眼圧を下げることであると考えられています。また、海外の大規模試験で、眼圧を1mmHg下降させることにより視野障害の進行を約10%低下させるという報告などもあり、緑内障患者の眼圧を少しでも下降させることが患者の視機能維持に重要であると考えられています。緑内障治療の選択肢としては、薬物療法、レーザー療法、手術療法があります。それらのうち、薬物療法に関しては、現在は強力な眼圧下降効果を有するプロスタグランジン関連薬が主流です。わが国ではこれまで4種類のプロスタグランジン関連薬、すなわちウノプロストン、ラタノプロスト、トラボプロスト、タフルプロストが使用されてきましたが、今月から今回ご紹介するビマトプロストが使用できるようになりました。ビマトプロストはアメリカの製薬企業において合成された薬剤ですが、これまでのプロスタグランジン関連薬とは少し異なった特徴を有しています

icon ビマトプロストの特徴

 先ず、作用機序についてご説明します。プロスタグランジン製剤の一般的な作用機序についてはすでに数多くの解説がなされていますので、今回はビマトプロストの作用を他のプロスタグランジン製剤と比較してご説明します。

ビマトプロストの化学構造特性と作用

 ビマトプロストは、内因性の生理活性物質であるプロスタマイドF2αに類似の化学構造および作用を有するプロスタマイドF2α誘導体です。従来のプロスタグランジン製剤であるプロスタグランジンF2α誘導体は、いずれもエステラーゼによって代謝された活性体がFP受容体を介して眼圧下降効果を示します。それに対し、ビマトプロストはビマトプロスト自身がFP受容体とは異なるプロスタマイド受容体を介して眼圧下降効果を示します。つまり、作用機序におけるビマトプロストの特徴は、そのままの形で活性を示すこと、ならびにプロスタグランジンF2α誘導体とは異なる受容体に作用することの2点となります。

房水動態とピマトプロスト

 なお、ビマトプロストの房水動態への作用としては、プロスタグランジンF2α誘導体と同様に、ぶどう膜強膜流出路における房水流出促進作用が確認されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



1 2 3 次項へ