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<スズケンDIアワー> 平成21年11月19日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(21)ライ症候群


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon サリチル酸系化合物含有製剤、アセトアミノフェンにおける記述

 まず、アスピリンを含めサリチル酸系化合物含有製剤、アミノフェノール系NSAIDsのアセトアミノフェンの重要な基本的注意欄に共通記載であるライ症候群には、次の記載があります。
 ライ症候群として、小児において極めてまれに水痘、インフルエンザなどのウイルス性疾患の先行の後で、激しい嘔吐、意識障害、けいれん(急性脳浮腫)と書かれていますが、それに加えて肝臓ほか臓器の脂肪沈着、ミトコンドリアの変形、AST・ALT・LDH・CPKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖などの症状が短期間に発現する高死亡率の病態であるとされています。
 ライ症候群として、急性ウイルス感染に続発する傾向のある急性脳症と肝臓脂肪浸潤、原因ウイルス、外因性毒素、サリチル酸塩、内因性代謝異常などを病態として考える必要もあろうと思います。
 なお、この記載の前に、その添付文書の中に、「サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察する」と記載されています。
 フェニル酢酸系消炎鎮痛剤であるジクロフェナクナトリウムでは、重要な基本的注意欄に、「本症候群を発症したとの報告がある」の記載の後に、上記記述のほか同効類薬として「サリチル酸系医薬品と本症候群の関連性を示す海外の疫学的調査報告があるので、本剤を小児のウイルス性疾患の患者に投与しないことを原則とする」という記載があります。
 また、重大な副作用欄に、頻度不明と書かれておりますが、「急性脳症、特にかぜ様症状に引き続き激しい嘔吐、意識障害、けいれんなどの異常が認められた場合には、ライ症候群の可能性を考慮する」と記載されています。

 

提供 : 株式会社スズケン



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