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<スズケンDIアワー> 平成21年11月19日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(21)ライ症候群


帝京大学 名誉教授
清水 直容

icon ライ症候群の重症度分類

 ライ症候群の重症度分類をメルクマニュアルで参照しますと、NIHの重症度分類(1981年)が掲載されております。

重症度分類

 その兆候としては、意識のレベル、体位、痛み刺激に対する反応、瞳孔反射、人形の目(頭の位置を変換させたときに眼球がどういう反射をするか)の5項目があり、これらが各5段階に分かれております。例えば意識のレベルですと、眠っている、しかし言語的な要求には従う段階であるとか、3段階以上においてはこん睡状態にあるなどの分類がなされております。これにより、重症度を分類しますと、重症度が高いほど、死亡に至る例も多いわけですが、急性インフルエンザ罹患中のサルチル酸使用で35倍の本症候群、それから18歳未満では危険であるとしております。
 検査値においては、アンモニアを血液で調べ、100ug/dL以上であるか、プロトロンビン時間が正常よりも3秒以上上昇しているかがポイントです。
 脳波検査においては、非特異的な徐波であるが、脳脊髄液の異常はないと記載されています。
 早期治療が予後のために非常に重要であり、けいれんと、筋肉の弛緩状態にある、呼吸停止があると死亡率は高くなります。
 なお、メルクマニュアルでは川崎病の治療の中について「長期間のアスピリン投与を受けている小児では、インフルエンザまたは水痘の流行時にライ症候群の危険性がわずかだが存在する」の記載があります。
 病態としては、ウイルス感染であるのか、医薬品などの中毒によるのか、尿素サイクルの代謝異常であるのか、も考えてみることが重要です。

icon まとめ

 今回のライ症候群についての話は、かなり古い報告ではありますが、現在のような季節性インフルエンザ(決して新型インフルエンザについてではありませんが)等の治療において、この系統の医薬品を使用する場合には、本症候群の基本的な知識は必要です。激しい嘔吐が起こった、意識障害がある、けいれんが起こる、肝臓などの検査の異常値があるなどの時には、この症候群について医薬品の可能性を考える必要があろうと思います。

 

提供 : 株式会社スズケン



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