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<スズケンDIアワー> 平成21年12月3日放送内容より スズケン

医薬品・医療機器等安全情報―最近の話題(18)PMDA医療安全情報、医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度について


NTT東日本関東病院 薬剤部長
折井 孝男

icon 救済給付の適用にならない事例

健康被害救済制度の救済給付の対象にはならないケース(1)

 一方で、救済給付の対象とならない場合についてですが、平成21年8月末までに、約7,200人に給付が行われてきた一方、約1,300人には、支給されないという決定がなされてきました。
 しかし、次に述べるように健康被害救済制度の救済給付の対象にはならない場合があります。
 ア.法定予防接種を受けたことによるものである場合。ただし、任意に予防接種を受けた場合は対象となります。イ.製造販売業者など、他に損害賠償の責任を有する者が明らかな場合。ウ.救命のためやむを得ず通常の使用量を超えて使用したことによる健康被害で、その発生があらかじめ認識されていた等の場合。エ.不適正な目的や方法などにより使用したことによるものである場合。
 オ.対象除外医薬品による健康被害の場合。
 さらに、カ.入院を必要とすると認められる場合に必要な程度の医療を受けていない場合等の軽度な健康被害や請求期限が経過した場合です。

平成20年度健康被害救済制度の救済給付が決定されなかった理由

 平成20年度の救済給付が決定されなかった理由としては、「因果関係なし」が約45%を占めました。医薬品が使用されていても、発現した健康被害と当該医薬品との因果関係が認められない場合は支給されないことになります。
 次に、「不適正目的または不適正使用である」が約30%ありました。添付文書の使用上の注意に従わずに使用された場合は、健康被害が発生したとしても健康被害救済制度による救済が決定されないおそれがあります。また、「入院を要する程度または障害の等級に該当しない」が約20%ありました。医薬品と疾病との因果関係は認められても、その疾病につき入院を必要とする程度の医療が行われなかった場合又は医薬品と障害との因果関係は認められても、その障害の状態が健康被害救済制度で定める等級に該当しない場合は支給されないことになります。

icon 健康被害救済制度の目指すもの

 医薬品等は、その使用に当たって万全の注意を払ってもなお副作用等の発生を防止できない場合があります。このようなことから、その副作用等の被害の救済については、民事責任とは切り離し、迅速かつ簡便な救済給付を行う健康被害救済制度によって対応が行なわれなければなりません。医療従事者の方々の中には、請求に必要な診断書等を作成することにより、その健康被害がまるで適切でない医療行為によるものであると認めることになってしまうのではないかと誤解され、作成することを躊躇するような事例に遭遇することがあります。しかし、健康被害救済制度は、あくまで医薬品等による健康被害者の迅速な救済を目的とするものです。そのため医療従事者から提供される診断書等は救済の支給を決定する際に重要な資料となります。
 健康被害救済制度による健康被害者の救済のためには、医師や薬剤師など医療従事者の理解と協力が不可欠です。

健康被害救済制度相談窓口

 

提供 : 株式会社スズケン



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