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<スズケンDIアワー> 平成22年1月7日放送内容より スズケン

肥満症治療薬 シブトラミン塩酸塩水和物


東京逓信病院 内科部長
宮崎 滋

icon 肥満症のタイプとその治療

 それでは、肥満症と診断されればそれで治療方針が立つかと言いますと、現在ではBMIが25以上の場合、合併症があるか、内臓脂肪の蓄積があるか、ということによって肥満症を2つのタイプに分類しています。

肥満症の治療指針

 一つのタイプの肥満症は内臓脂肪型肥満であり、耐糖能異常、2型糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、高尿酸血症、脂肪肝などを起こしやすく、心筋梗塞、脳梗塞になりやすい肥満症であります。従って、メタボリック・シンドロームタイプと申すこともありますし、学会では「脂肪細胞の質的異常タイプ」と申しております。もう一つのタイプは、骨関節疾患あるいは睡眠時無呼吸、月経異常などを起こしやすい、「皮下脂肪の蓄積した脂肪細胞の量的異常タイプ」で、この二つを分けて治療する必要があります。
 肥満症治療の目的は、肥満に起因した合併症が、減量によって病態が改善する、あるいは進行阻止できることが目的となります。脂肪量を減少させることは必要でありますけれども、決して標準体重まで減少させることは必要ありません。体重を減らすのが目的ではなくて、体重を減らすことにより、肥満に基づく健康障害(合併症)を解消、軽快、予防することがその治療の目的となります。その意味で、日本肥満学会で作成の肥満症の治療指針では、内臓脂肪の蓄積したメタボリック・シンドロームタイプ、脂肪細胞の質的異常タイプにおきましては、体重の5%の減量を目標として、主として3〜6カ月を治療期間としております。もう一つの、BMI30以上である皮下脂肪型のタイプですと、骨関節疾患等がありますので、もう少し大きな体重減少、すなわち現体重の5〜10%を目標とすることとしております。
 このように二つのタイプがありますが、食事療法、運動療法、行動療法などを併せて行い、生活習慣の改善を図る必要があります。3〜6カ月間、生活習慣改善療法を行い、効果が見られない場合、初めて薬物療法を開始すると決められております。

肥満症の薬物療法の基準

 では、治療効果をどのように判定するかと申しますと、減量の目的は標準体重ではなくて5%減少、そして臨床検査データが改善するか、肥満に起因する健康障害の症状が改善できるか、長期間維持できるかということが問題になります。肥満症の薬物療法の基準は、今申し上げましたように、BMI30以上で骨関節疾患、睡眠時無呼吸等があって、治療を行っても体重が減少しないもの、あるいはBMI25以上であり、内臓脂肪型であり、糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、脂肪肝などがあり、心・脳血管疾患を起こしやすい、そのような病態であって、食事、運動の治療に反応しない場合、薬物療法を開始することになります。この薬物療法の中には、肥満症の治療薬では中枢性の食欲抑制薬、あるいは消化吸収阻害薬、代謝阻害薬、熱産生促進薬などがありますが、このシブトラミンは中枢性の食欲抑制薬です。これまでマジンドールが使われておりましたが、世界のすう勢はシブトラミンを使う流れになっており、欧米では1999年から既に使われております。

 

提供 : 株式会社スズケン



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