→ 番組表はこちら
→ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成22年1月21日放送内容より スズケン

DI実例集(166)医薬品安全管理における臨床研究データベースシステムの活用


浜松医科大学附属病院薬剤部 副薬剤部長
渡邉 進士

icon 医薬品安全管理における活用例

 緊急安全性情報により注意喚起されている医薬品の中で、チクロピジンは血栓性血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、重篤な肝障害などの重大な副作用を発現させることから、特に注意を要する医薬品の一つと考えられます。そこで当院薬剤部では、本システムを活用して、チクロピジン処方後における臨床検査値をモニターすることにより、患者の安全管理に努めています。実際に行っているチクロピジンの新規処方患者検索および副作用出現患者検索の概要について説明します。
 検索は、当院で内服薬を処方された入院および外来の全患者を対象に実施しています。チクロピジンの新規処方患者の検索方法としては、前日までのデータと本日分のデータとの差分抽出により、新規処方患者の検索を行っています。医薬品情報管理室の薬剤師が検索を行い、抽出された新規入院患者に関しては、病棟担当薬剤師に対して臨床検査値の注意深い監視を助言するなど、薬剤管理指導業務の支援に役立てています。

新規処方患者検索

 次に、副作用出現患者検索では、AST、ALT、白血球数などのチクロピジンの副作用発現と関連が深い臨床検査値の異常の程度が、グレード3以上の患者を抽出しています。抽出結果は、入院患者に関しては新規処方患者同様、病棟薬剤師に随時報告を行っています。また、外来患者に関しては、外来診療科の担当医師に連絡し、検査値異常の旨を報告しています。
 実例として、当院で2007年6月からの半年間に内服薬を処方された全患者27,630名のうち、チクロピジンの処方を受けた239名を対象に検索した結果を示しますと、239名中グレード3以上の検査値異常を呈した患者が28名検出され、それぞれ担当医に報告され、処方変更が考慮されています。

副作用出現患者検索

 本システムでは、新規処方患者および副作用出現患者の検索に要する時間は、両方合わせても数分以内と短時間かつ容易に行えることから、緊急時における対応も可能となっています。また、臨床検査の実施が必要な医薬品を服用する患者に対し、初期から薬剤管理指導を行うことができるとともに、副作用モニタリングにおいても、病棟担当薬剤師および本システムによる二重のチェックが実施できるようになり、より厳格な医薬品安全管理が行えるようになりました。

 

提供 : 株式会社スズケン



前項へ 1 2 3 次項へ