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<スズケンDIアワー> 平成22年1月28日放送内容より スズケン

子宮頸がん予防用2価HPVワクチン


自治医科大学産科婦人科 教授
鈴木 光明

icon 子宮頸がん予防ワクチンについて

Development of vaccine

 さて、子宮頸がん予防ワクチンについてでありますが、他の多くのワクチンは病原体を弱毒化ないしは無毒化したものですが、このワクチンはこれらとは異なり、人工的な遺伝子組み換え技術により合成した“ウイルス様粒子”を抗原としてつくられました。外観上はHPVのウイルス粒子と同じですが、殻だけしかなくDNAを含まないので感染力もなく安全です。

現行のHPV予防ワクチン

 現在、世界的にはGSK社の2価ワクチンとメルク社の4価ワクチンの2つが発売されていますが、いずれもHPV16型と18型に起因する子宮頸がんの発症を防ぐことができます。日本では現在のところはGSK社の2価ワクチンが承認されています。このワクチンを接種すると、自然感染で得られる数十倍もの中和抗体が産生されます。高い抗体価が長期間にわたって持続し、現段階では6年半の有効期間が確認され、抗体価の減衰曲線から推測すると20年間は効果が持続すると推計されています。ただ使われはじめてからまだ年月が経っていないのでこれからのデータの積み重ねが必要です。
 このワクチンは子宮頸がんの原因となるハイリスク型HPVの感染を阻止する、予防ワクチンであります。したがって既に感染しているHPVの排除や、すでに子宮がんや前がん病変を発症している場合にそれらを治癒させる力はありません。すなわち治療ワクチンではありません。

HPVワクチン接種の推奨年齢

 したがって最も効果的な接種時期は、性交渉がまだない初交前の少女と考えられます。日本産婦人科医会などでは、第1に接種すべき対象は11才〜14才の女児であると推奨しています。もちろん15才以上の女性でも、やや効果は落ちるものの有効ですし、45才くらいまでは費用対効果に優れているといわれています。アメリカ予防接種勧告委員会では、26才までの既に性交渉の経験のある女性もワクチンの接種対象として推奨しています。副作用は、局所の疼痛、発赤、発熱などがあります。注射部位の痛みは結構強いようですが、死亡に関連するような重篤なものはないようです。

 

提供 : 株式会社スズケン



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