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<スズケンDIアワー> 平成22年1月28日放送内容より スズケン

子宮頸がん予防用2価HPVワクチン


自治医科大学産科婦人科 教授
鈴木 光明

icon 予防ワクチンの効果

 このワクチンを接種することで、どれ位の子宮頸がんが防げるかということですが、単純に16型と18型に起因する子宮頸がんの頻度から算定すると、世界的には約70%、日本ではやや低く60%ということになります。しかし、最近の研究からはGSK社の2価ワクチンにおいては、16型、18型以外のハイリスクHPVのうち、系統的に両型と近縁にある他の型に対するクロスプロテクション効果もかなりみられています。

日本人に対するワクチンの効果の推計

 このクロスプロテクション効果を考慮すると、日本においても70%以上の子宮頸がんが予防できると推計されます。
 このワクチンを接種すれば、「もう子宮頸がん検診はしなくていいですか」という質問をうけますが、たとえワクチンを接種した人でも検診は是非うけるべきです。このワクチンで全ての子宮頸がんを予防することはできないからです。
 このワクチンは、初回接種、そしてその1か月後、さらに6か月後、と計3回接種することが必要です。3回接種することによって高い抗体価を得ることができます。値段は3回1セットで4万円位とかなり高価です。

icon 子宮頸がん予防ワクチン推奨に向けた提言

 このワクチンを広く万人に接種するためには、日本でも欧米のようになんらかの公的補助が是非必要です。日本産婦人科医会は、先般、厚生労働大臣宛に、11才〜14才の第一に接種すべき対象に対しては、接種率を高めるために、公的負担による接種施策の実施を強く提言致しました。

子宮頸がん予防ワクチン推奨に向けた提言

 子宮頸がんによる死亡を減少させること、そしてリプロダクティブエイジの女性の性機能を守る観点からも、全女性がこのワクチンを接種できる体制、すなわち公費負担あるいは国の医療保険制度下での保険償還による接種体制の実現が望まれるところです。
 子宮頸がん予防ワクチンの開発・導入、そして細胞診検査による子宮頸がん検診、という二つの素晴しい子宮頸がんの予防手段を、われわれ人類は手にすることができました。この二つを併用することによって子宮頸がんの征圧は夢物語ではなくなりました。子宮頸がんは、今まさに“治療するがん”から“予防するがん”になったといえます。

 

提供 : 株式会社スズケン



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