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<スズケンDIアワー> 平成22年2月18日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠(29)


日本大学薬学部薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送でお伝えした品目以降に薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。

icon レメロン錠とリフレック錠の薬価算定根拠

 はじめは、レメロン錠とリフレックス錠です。

レメロン・リフレックスの薬価算定根拠

 有効成分は、ミルタザピンで、レメロン錠は、シェリング・プラウ、リフレックス錠は、明治製菓の開発です。ミルタザピンは、ノルアドレナリン作動作用および特異的セロトニン作動作用を有し、「うつ病・うつ状態」を効能・効果とします。本剤への類似性の高いのはパロキセチン塩酸塩水和物及びミルナシプラン塩酸塩の2成分と考えられましたが、本剤とこれら2成分は海外の治療ガイドラインでも同様の臨床的位置付けとされており、効能・効果、薬理作用、用法などのわずかな類似性の違いで最類似薬をいずれか一方に絞り込むことは適当でないと判断され、これら2成分を最類似薬として類似薬効比較方式(T)で算定が行われました。具体的には、パロキセチン塩酸塩水和物の製剤であるグラクソ・スミスクラインのパキシル錠とミルナシプラン塩酸塩の製剤である旭化成ファーマのトレドミン錠の1日薬価の相加平均により算定されました。補正加算についていずれの要件にも該当しないと判断されたことに対し、新薬収載希望者から本剤は既存の類似薬に比してうつ病患者のQOL改善に関する有用性が検証されていること、既存の類似薬を対象薬とした比較試験において、本剤の効果の発現が早いことが確認されていること、長期投与試験において寛解を安定的に維持することが検証されていることなどから、治療方法の改善が客観的に示されており、有用性加算Uを希望する旨の不服意見が提出されました。この不服意見については、QOLの改善及び早い効果発現に関しては、薬事承認等において評価されていないこと、また、長期投与における寛解の維持に関しては、他の薬剤と比較したデータがないことを踏まえて、本剤による治療方法の改善が客観的に示されているとは認められないと判断され、新薬収載希望者からの不服意見は却下されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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