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<スズケンDIアワー> 平成22年2月25日放送内容より スズケン

添付文書の中の副作用(22) 血管炎症候群


帝京大学 名誉教授
清水 直容

 今日は、添付文書に副作用を関連として記載のあります血管炎(vasculitis)についてお話しさせていただきます。
 今回は第106回日本内科学会、あるいは第39回日本腎臓学会東部学術大会などで、聖マリアンナ医科大学尾崎承一先生や自治医科大学湯村和子先生などが話されたことを参考にしてのお話でございます。
 血管というのは全身に分布している一種の臓器ですが、本当に微小なものから大動脈まで、大きさが非常に違います。そこに起きる炎症は、そのような臓器の違いにより全身状態から、ある臓器についてというように、多種多様です。今日はこの症状と徴候、検査を中心にお話ししてみたいと思います。

icon 血管炎の発症機序

 病態には三つが考えられると思います。

血管炎の発症機序

 Ballという人が英文で書いた発症機序によりますと体液成分の免疫として次の四つがあります。
 このうちでANCA(抗白血球、細胞質の抗体)は添付文書の中にもANCA陽性血管炎という言葉が、後でご紹介する医薬品にも出てまいりますが、血管炎の理解、検査においても、重要な一つの成分です。
 そのほかに内皮細胞に対する抗体、あるいはリン脂質:phospholipidに対する抗体、細胞関連の免疫といったものが多くあります。アレルギーとしてはI型からIV型まであるなかで、血管炎の場合にはIII型であるということで理解ができます。

日本循環器学会の診療ガイドライン

 日本循環器学会の血管炎症候群診療ガイドラインが公表されておりますが、その一般症状としては、血管の種類にもよりますが、筋肉が痛む、関節が痛む、発熱、2㎏以上体重が減少するなどとしていますが、臓器により、例えば糸球体腎炎を起こすなど、臓器の血管のその種類により発現する症状、徴候は非常に多彩であります。これを全部述べるわけにはまいりませんので今回は、実際に記載されている医薬品について、少しご紹介してみたいと思います。

血管炎症候群の診断プロセス

 小型の血管炎では、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、Wegener肉芽腫症(WG)、Churg-Strauss(アレルギー性肉芽腫症)症候群、皮膚ですとHenoch-Schölein(アレルギー性関節炎と伴う紫斑病)症候群など、非常に多くあります。

 

提供 : 株式会社スズケン



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