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<スズケンDIアワー> 平成22年3月4日放送内容より スズケン

潰瘍性大腸炎治療薬 メサラジン腸溶性製剤


慶應義塾大学消化器内科 教授
日比 紀文

icon 5-ASA製剤のDDSとメサラジン腸溶製剤

メサラジンの作用機序

 5-ASA製剤の薬理作用ですが、本剤は大腸病変部位の局所で抗炎症作用を発揮すると考えられています。
 つまり、病変部位である大腸に十分量の5-ASAを送達させることが重要です。しかし、5-ASAは原薬のまま服用しますと、大部分が小腸上部で吸収されてしまい、病変部位である大腸に到達しません。そのため、5-ASA製剤には大腸まで送達させるための製剤工夫が施されております。

5-ASA製剤の薬物動態

 古くは5-ASAとスルファピリジンをアゾ結合させたサラゾスルファピリジンがあります。これは大腸の腸内細菌によりアゾ結合が切断され、5-ASA単体となりますが、残るスルファピリジンが吸収され、さまざまな副作用につながる可能性があります。また、時間依存的に5-ASAのみが放出される徐放製剤もあります。これは副作用の原因となりうるスルファピリジンを含まない5-ASAのみの製剤で、小腸から徐々に5-ASAが放出されるよう工夫されています。しかし、大腸、とくにS状結腸や直腸に送達される5-ASA量が不足する傾向があります。
 日本では長い間、この2つのタイプの5-ASA製剤が用いられてきましたが、昨年pH依存性の製剤「アサコール®」が承認になりました。

分布:腸管粘膜内濃度(IBD患者)

 アサコール®はpHが7以上になると溶解する被膜でコーティングされ、pHが7になる回腸末端から5-ASAが放出されるように設計された製剤です。
 海外では、すでに60を超える国と地域で承認され、軽症〜中等症の潰瘍性大腸炎治療のファーストチョイスとして広く使用されております。日本におきましても、本剤の潰瘍性大腸炎治療薬としての有効性と安全性が確認され、2009年10月に承認されました。

 

提供 : 株式会社スズケン



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